多摩動物公園のヤクシカ舎で飼育中の個体から、家畜伝染予防法において蔓延の防止などが定められているヨーネ病が発生しましたのでお知らせします。
現在、家畜保健衛生所から指導を受け、防疫対策を実施しています。
ヨーネ病について
ヨーネ病は、家畜伝染病予防法で定められた家畜伝染病であり、糞便中に排泄されたヨーネ菌(
Mycobacterium avium subspecies
paratuberculosis)を経口摂取することにより感染する、反芻動物の感染症です。
感染判明までの経緯
6月9日
今年2月以降に、抗酸菌(※)が原因と疑われる異常個体が散見されたため、家畜保健衛生所に報告・相談、あわせて検査を依頼。
6月11日
飼育する18頭のうち、治療のために隔離している2頭から糞便を採材し、家畜保健衛生所に検査を依頼。
6月14日
検査した2頭、いずれもリアルタイムPCR検査によりヨーネ病患畜であると連絡あり。
※結核菌、ヨーネ菌を含む
Mycobacterium属菌を抗酸菌という。
判明後の措置状況
6月15日
家畜保健衛生所の職員が来園し、家畜伝染病予防法に基づくヨーネ病対応について指示・指導を受ける。
6月19日
仔1頭(6月5日生まれ)が死亡。家畜保健衛生所に指示を仰ぎ、解剖は実施せず。
6月28日
3頭(うち1頭は陽性個体の仔)を殺処分し、6月19日死亡の1頭とあわせて4頭の死体を家畜保健衛生所に引き渡し、解剖を家畜保健衛生所でおこなった。
6月29日
死体を家畜保健衛生所で焼却処分。
家畜伝染病予防法に基づき6月29日付東京都公報に掲載。
現状および今後の対応(7月14日更新)
その後、当園で飼育していた残り14頭のヤクシカの感染状況についても調査を検討してきました。家畜保健衛生所に12頭のヨーネ病の検査を依頼したところ、7月2日に11頭の感染(陽性)が確認されました。このため、陽性個体11頭と陽性個体から生まれた仔2頭についても、7月14日に殺処分しました。
なお、陰性だった1頭は隔離施設において飼育継続するとともに、家畜保健衛生所の指導・助言に基づき継続して定期的な検査をおこなっていく予定です。
また、飼育展示施設についても、家畜保健衛生所の指導・助言に基づき、消毒などを実施してまいります。
2022年1月6日更新
隔離観察中の1頭についても、2021年11月に実施した検査において感染の疑いが否定できなかったため、家畜保健衛生所からの助言に基づき12月20日に殺処分しました。
当園では今回のヨーネ病の発生を受け、園内の衛生管理の再徹底を進めています。また、引き続きヨーネ病発生についての原因究明をおこなうとともに、家畜保健衛生所の疫学調査に協力し、再発防止の徹底に努めてまいります。
2022年3月25日更新
2021年12月に殺処分した個体1頭について、家畜保健衛生所にてヨーネ病の検査をおこなったところ、感染(陽性)が確認されたため、家畜伝染病予防法に基づき3月25日付東京都公報に掲載されました(
詳しくはこちら)。
(2021年06月30日)
(2021年07月14日:現状および今後の対応について追記)
(2022年01月06日:対応について追記)
(2022年03月25日:東京都公報掲載について追記)