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夏の夜の過ごしかた、サバンナエリアの動物たち
 └─2020/08/28

 大雨の多かった長い梅雨が明け、8月からは猛暑日が続きました。今年の夏は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、園内の各種イベントの多くが中止となり、毎年恒例だったサマーナイトも中止でした。


例年のサマーナイトのサバンナエリアは…

 夏の間、サバンナエリアでくらすキリンは大放飼場とキリン舎の出入りが自由になります。サマーナイトの日はいつもより3時間遅く20時まで開園します。夜暗くなり、複数のキリンが座って休息する姿は日中見ることのできない貴重な夜の姿でした。グレビーシマウマ(以下シマウマ)とシロオリックス(以下オリックス)は現在別の場所にいますが(お知らせ)、サバンナエリアにいた頃も夜に大放飼場に出ることはありませんでした。サバンナエリアから離れた仮住まいの動物たちがどのようにこの夏の夜を過ごしていたのかお伝えします。

・関連記事「サバンナエリアの動物たちの引越し、完了しました」(2017年6月28日)

 キリン舎建て替え工事のためにマウマとオリックス、ダチョウが園内各所に引っ越して3年が経ちました。サバンナエリアでではみないっしょだったので、動物種どうしのトラブルなどもありましたが、今はそれぞれの動物がそれぞれの場所で落ち着いてくらしています。


室内で座って休息するグレビーシマウマ

 2頭のメスのシマウマと、オスのオリックスは、なかよし広場の上にある旧モウコノウマ舎で公開しています(飼育作業の都合上、14時で公開終了です)。動物が少しでも過ごしやすいよう、夏の夜は風が通るように窓を開け、扇風機を回します。大きな体の草食動物は私たちとは違って、何時間も横になって寝ることはしません。1~2時間ほど座って休息する間にほんの2~3分、目を閉じて眠ります。これを一晩のうちに何度も繰り返します。シマウマもオリックスも警戒心が強いので、日中座る姿を見る機会はほとんどなく、自分の部屋では写真のようにリラックスした姿を見せることがまれにあります。

室内で座って休むシロオリックス
広い放飼場で食事中

 オリックスは日中、小さな放飼場で過ごしていますが、運動不足を解消し、蹄が伸びるのを予防するため、夏の夜は広い場所で過ごせるようにしました。広い放飼場に日中はシマウマ、夜間はオリックスと交替させています。ふだんと違う広い放飼場にいったん出ると、小さな放飼場には戻ってこないのではないかと心配しましたが、翌朝になるとオリックスたちは落ち着いたようすでいつもの放飼場にちゃんと戻ってきました。この夜間放飼はしばらく続ける予定です。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 齊藤美和〕

(2020年08月28日)


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