多摩動物公園では、環境省が進めるトキ保護増殖事業に協力するため、佐渡トキ保護センターからトキをあずかり、非公開エリアで飼育しています。
2019年も飼育個体が産卵し、6羽が無事に育っています。
BSペアの親子(左が親)
(撮影日:2019年7月31日)
飼育中のトキのペア
Kペア | オス:2001年5月21日生まれ | メス:2003年5月9日生まれ |
ADペア | オス:2004年7月3日生まれ | メス:2001年4月24日生まれ |
Zペア | オス:2008年5月24日生まれ | メス:2008年4月17日生まれ |
BSペア | オス:2014年4月30日生まれ | メス:2011年5月26日生まれ |
※BSペアのオスは新潟県長岡市生まれ、その他は佐渡トキ保護センター生まれ
産卵と孵化、育雛の状況
飼育中の各ペアのひな計6羽が育っています。産卵後、卵を取り上げて孵卵器で孵化させた人工孵化と、孵化直前に巣に戻して巣の中で孵化させた自然孵化があります。また、親が自分のひなを自然育雛した場合と、仮親が自然育雛した場合があります。
No. | 両親 | 産卵日 | 孵化日 | 孵化方法 | 育雛方法 |
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1 | ADペア | 3月21日 | 4月18日 | 人工孵化 | 自然育雛 |
2 | ADペア | 3月25日 | 4月20日 | 人工孵化 | 自然育雛 |
3 | BSペア | 3月27日 | 4月26日 | 人工孵化 | 自然育雛 |
4 | BSペア | 不明 | 4月26日 | 人工孵化 | 自然育雛 (仮親Kペア) |
5 | BSペア | 不明 | 4月28日 | 人工孵化 | 自然育雛 |
6 | BSペア | 不明 | 5月2日 | 自然孵化 | 自然育雛 (仮親Zペア) |
※産卵日はビデオモニターによる確認結果ですが、推定日も含みます。 ※自然育雛の場合、孵化後約1週間は人の手で育て、その後で巣に戻しました。 |
多摩動物公園でのトキ飼育の経緯
単独の施設で動物を飼育すると、感染症の発生に伴い全滅するおそれがあります。トキについても、鳥インフルエンザなどの感染症対策として、複数の施設に分散して飼育しています。
都立動物園は40年以上にわたって佐渡トキ保護センターにおける飼育繁殖に技術協力をしてきた実績があることから、保全活動の調整機能をもつ
野生生物保全センターがある多摩動物公園において2007年12月からトキを飼育し、毎年繁殖に成功しています。
※環境省の飼育方針により非公開で飼育しています。
日本国内の飼育状況(2019年8月6日現在。放鳥した個体を除く)
・佐渡トキ保護センター | 90羽 | (うち2019年生 8羽) |
・佐渡トキ野生復帰ステーション | 45羽 | (うち2019年生 11羽) |
・多摩動物公園 | 14羽 | (うち2019年生 6羽) |
・いしかわ動物園 | 17羽 | (うち2019年生 7羽) |
・出雲市トキ分散飼育センター | 14羽 | (うち2019年生 4羽) |
・長岡市トキ分散飼育センター | 13羽 | (うち2019年生 2羽) |
・佐渡市トキふれあい施設 | 3羽 | (うち2019年生 1羽) |
合計 196羽 | (うち2019年生 39羽) |
(2019年08月06日)