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シロフクロウが抱卵中です
 └─2019/04/26

 みなさんは、児童文学の「ハリー・ポッター」シリーズを知っていますか? 映画にもなったこの作品のおかげで人気者になった鳥がいます。それは多摩動物公園のフクロウ舎にいるシロフクロウです。

 野生のシロフクロウは北極圏周辺に生息し、レミングと呼ばれるネズミのなかまや小型鳥類等をおもに捕食しています。

 動物園ではマウスを中心に馬肉や鶏頭を与えています。繁殖期が始まると、えさはなるべくオスの近くに投げ与えます。なぜでしょうか? じつは、オスがメスにえさ(ネズミ)をプレゼントする「求愛給餌」をしやすくするためです。オスが差し出すプレゼントによって、オスとメスの絆が深まると考えられます。

 北極圏にくらすシロフクロウの繁殖は、日が沈まない「白夜」の影響を受けるため、動物園では2月初旬から夜間照明を点灯し、人工的に白夜を作っています。


右がメスの「キミ」。左はオスの「トール」

 今年はフクロウ舎の一番右端の部屋にいるメスの「キミ」(7歳)が卵を産みました。飼育係が近くを通るだけで、くちばしをバチバチと鳴らして威嚇してきます。しかし、来園者のみなさんにはあまり威嚇をしません。さて、どうしてでしょう? 私たち飼育係は産卵が始まると極力動物舎に入ることを控えていますが、それでも巣内の卵の状態を確認しに行くことがあるため、警戒されているのだと思います。また、私服に着替えて近くを通ってみるとまったく威嚇されなかったので、飼育係の作業着で区別しているのかもしれません。

 現在、確認できている卵は5個。順調にいけば、5月初旬に元気なひなを見ることができそうです。どうぞお楽しみに!

〔多摩動物公園南園飼育展示係 川鍋政孝〕

(2019年04月26日)


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