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サーバルの「ニール」と「バズ」誕生
 └─2018/12/28

 もうすぐ2018年も終わります。今年一年、多摩動物公園のサーバルにもいろいろな出来事がありました。3年前に生まれたメスの「ルナ」は6月に群馬サファリパークにお嫁に行き、サーバル舎が静かになった7月以降、ルナ、そしてその兄弟「アポロ」を産んだ「ユリ」に3度発情が訪れました。

 多摩動物公園では、サーバルたちは野生の生態にならって、ふだん単独で飼育していますが、メスが発情し、交尾する可能性のあるときはオスと数日間同居させます。

 最初の発情は暑さも厳しくなってきた7月でした。相手は前回も同居させた「ポール」です。一度繁殖に成功した組み合わせですし、ポールはやさしい性格なのであまり不安はありませんでしたが、暑さのために同居時間が短く、交尾回数が少ないせいか妊娠にはいたりませんでした。


生後14日目

 2度目の発情を迎えた9月、今回こそはと祈るような気持ちで見守りました。前回は最後の交尾から73日後に出産が見られたため、うまく妊娠すれば11月末頃生まれる見込です。ところが、11月の初めに3度目の発情が訪れました。多摩動物公園ではサーバルの妊娠個体に発情が来たことはないので、妊娠していなかったか……と思いながらも、念のため出産に備えて観察を続けました。すると日に日にユリのお腹が大きくなってきたのです。そして最後の交尾から72日後の11月28日、無事2頭のサーバルが生まれました。

ニール、生後28日目
バズ、生後29日目

 出産から数日経って、どちらもオスとわかりました。2頭の兄の名が「アポロ」だったので、アポロ11号に乗っていた宇宙飛行士の名前を取って「ニール」、「バズ」と名づけました。

 2頭はすくすくと育ち、少しずつ産箱から顔を見せるようになりました。母親のユリも出産初日こそ産箱から出てこず、あの食欲旺盛なユリが出てこないなんてと心配しましたが、すぐにいつもの食欲に戻り、しっかり2頭の世話をしています。

 2頭が放飼場にデビューするのはまだもう少し先ですが、その際には2頭の活躍を見にぜひ多摩動物公園にお越しください。名前に負けじと2頭が宇宙へ羽ばたくようなジャンプをするように、母親ユリのサポートもしながら飼育を続けていきます。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 泉こはる〕

(2018年12月28日)


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