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ヨーロッパオオカミ出産──4/22
 2005年3月22日、休みの日なので朝から出かけていたのですが、帰ってくると、代番者からメールが……。めったにないことなので、ドキドキしながら読んでみると──「おめでとう。オオカミ生まれました!」の報! 飼育係の至福の瞬間です。代番者が出産を確認したのは朝8時30分ごろでした。
 動物園に駆けつけると、母親のモロは産箱にこもって、ちゃんと子どもの面倒をみているようす。ふだんとちがう時間に駆けつけたので、何事かとモロが出てきてしまったため、すぐに退室しました。

 生後10日経ってから確認すると、子どもは5頭(オス2頭、メス3頭)。モロお母さんは熱心に子育てし、子どもたちも順調に育っています。父親はロボ。モロもロボもモスクワ動物園生まれです。ロボとモロにとって、今回初の出産となりました。
 最近は子どもたちがちょこまか動き回るので、お母さんは大変そうです。子どもをくわえながら、ときどき「あんたヒマなら手伝ってよ」とでも言いたげな眼で私を見つめます。

 現在、屋外の斜面と裏のオオカミ舎で観察できますが、お母さんは子どもたちを外の岩のくぼみに隠していることが多い状態です。お母さんが子どもをくわえるすがたを見ることができたら、かなりラッキー。

 じつは、ずっと妊娠しているのか半信半疑でした。3月初旬、モロの体つきがややふっくらしてきました。中旬にはおなかの毛が抜けているのを確認。そこで、急遽、産箱を準備しました。
 出産直前のころも、おなかの大きさはたいしてかわらず、最後の最後まで半信半疑でしたが、「1パーセントでも可能性があるなら、あとで悔やむより、準備だけはしておくべきだ」という思いで作った産箱が無駄にならずにすみました。ほんとうによかった!    〔多摩動物公園飼育係 熊谷岳〕

・東京ズーネットBBのヨーロッパオオカミの動画はこちら(遠吠えのようすが見られます)

(2005年4月22日)



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