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アフリカゾウ「砥夢」の体重測定と真夏のゾウたち
 └─2018/09/14

 2018年8月15日、アフリカゾウの「砥夢」(トム)の体重測定をおこないました。多摩動物公園では、砥夢が2012年に来園してから3年目の2015年に初めて体重測定を実施し、今年で4回目になります。砥夢も慣れたようすで体重計に乗りました。


体重測定中の砥夢

 誤差を考慮して計4回測定したところ、砥夢は3,040キロでした。去年の3,000キロからあまり変化はありません。ゾウは成獣になるまで1日に1キロ体重が増えると言われています。体重が思ったほど増えなかった原因は正確にはわかりません。しかし、去年250センチだった肩の高さは、255センチにまで成長しました。わずか5センチですが、骨格形成が進み、日頃の観察から筋肉量が増しているように見え、体格が大きくなっていることがわかります。夜間活動的に過ごしているようすも見られ、砥夢は着実におとなに近づきつつあります。

 ところで今年の2月28日深夜、砥夢の左牙が折れて治療を始めたことをお知らせしました。

アフリカゾウ「砥夢」、もうすぐ9歳です

 その後も何度か牙が欠けることがあり、出血も見られました。現在も引き続き治療をおこなっています。完治にはまだまだ時間が必要ですが、一日でも早く牙が伸びるよう獣医師とともに治療を進めています。

 一方、今年の夏は猛暑日が続き、ゾウたちが体を冷やすためにプールの水を体にかけ、体温を下げる行動がよく観察されました。また、泥浴びも連日見られました。泥を体にかけ、皮膚をコーティングすることによって、直射日光から皮膚を守ることができ、外部寄生虫予防にもなります。

水浴び中のチーキと砥夢
泥浴び中のチーキ

 そして、厳しい暑さにぴったりなイベントとして、「冷やしスイカはじめました!」を今年もおこないました。3頭とも大喜びで食べる姿が見られました。チーキは一滴もこぼさないよう、じょうずに口に運んでいましたが、砥夢やアコは一度スイカを踏んでから食べるなど、個体によって違いが見られました。じっくりと観察すると3頭の個性がよくわかります。みなさんもゾウ舎でゆっくりとゾウたちを観察してみてください、

口に含みながらスイカを食べるチーキ
足でスイカをつぶすアコ

 今年は異例の酷暑を迎え、高齢になりつつあるゾウたちの健康にいつも以上に注意を払いました。その甲斐あって、3頭とも無事に夏を乗り切れそうです。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 山本悠太〕

(2018年09月14日)



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