多摩動物公園では、環境省が進めるトキ保護増殖事業に協力するため、佐渡トキ保護センターからトキをあずかり、非公開エリアで飼育しています。
2018年も飼育個体が産卵し、8羽が無事に育っています。

ADペアの親子(左が親)
(撮影日:2018年7月26日)
飼育中のトキのペア
(BSペアのオスは新潟県長岡市生まれ、そのほかは佐渡トキ保護センター生まれ)
Kペア | オス:2001年5月21日生まれ | メス:2003年5月9日生まれ |
ADペア | オス:2004年7月3日生まれ | メス:2001年4月24日生まれ |
Zペア | オス:2008年5月24日生まれ | メス:2008年4月17日生まれ |
BSペア | オス:2014年4月30日生まれ | メス:2011年5月26日生まれ |
※BSペアは2018年度新たに形成したペア、ほかは2017年度までと同じペア。
産卵と孵化、育雛の状況
飼育中の各ペアのひな計8羽が育っています。親が自分のひなを自然育雛した場合と仮親が自然育雛した場合があります。また、ZペアとBSペアのひな2羽は人工育雛で成育しました。
No. | 両親 | 仮親 | 産卵日 | 孵化日 | 育雛方法 |
---|
1 | ADペア | ─ | 3月22日 | 4月20日 | 自然育雛 |
2 | Zペア | Kペア | 3月23日 | 4月21日 | 自然育雛 |
3 | ADペア | Kペア | 3月25日 | 4月22日 | 自然育雛 |
4 | ADペア | BSペア | 3月28日 | 4月25日 | 自然育雛 |
5 | Zペア | ─ | 3月30日 | 4月26日 | 人工育雛 |
6 | Kペア | Zペア | 4月3日 | 5月1日 | 自然育雛 |
7 | BSペア | Zペア | 4月5日 | 5月3日 | 自然育雛 |
8 | BSペア | ─ | 4月7日 | 5月5日 | 人工育雛 |
※産卵日はビデオモニターによる確認結果ですが、推定日も含みます。 ※自然育雛の場合、孵化後約1週間は人の手で育て、その後で巣に戻しました。 |
多摩動物公園でのトキ飼育の経緯
単独の施設で動物を飼育すると、感染症の発生にともない全滅の恐れがあります。トキについても、鳥インフルエンザなどの感染症対策として、複数の施設に分散して飼育しています。
都立動物園は40年以上にわたって佐渡トキ保護センターにおける飼育繁殖に技術協力をしてきた実績があることから、保全活動の調整機能をもつ
野生生物保全センターがある多摩動物公園で、2007年12月からトキを飼育し、毎年繁殖に成功しています。
※環境省の飼育方針により非公開で飼育しています。
日本国内の飼育状況(2018年8月7日現在。放鳥した個体を除く)
・佐渡トキ保護センター | 82羽 | (うち2018年生 5羽) |
・佐渡トキ野生復帰ステーション | 55羽 | (うち2018年生 7羽) |
・多摩動物公園 | 16羽 | (うち2018年生 8羽) |
・いしかわ動物園 | 16羽 | (うち2018年生 6羽) |
・出雲市トキ分散飼育センター | 9羽 | (うち2018年生 3羽) |
・長岡市トキ分散飼育センター | 16羽 | (うち2018年生 6羽) |
・佐渡市トキふれあい施設 | 3羽 | (うち2018年生 1羽) |
合計 197羽 | (うち2018年生 36羽) |
(2018年08月07日)