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コウノトリの卵をコウノトリの郷公園へ移動しました
 └─2018/06/01

 多摩動物公園は1988年、日本で初めて飼育下でのコウノトリの繁殖に成功しました。以来30年以上にわたり、数多くのペアを作り、飼育下で繁殖を続けてきました。昨年度(2017年度)は、30年連続の繁殖の成果によって小池都知事から表彰を受けました。

 近年は園内だけでなく、「コウノトリの個体群管理に関する機関・施設間パネル」(略称IPPM-OWS)による取り組みの一環として、施設間で卵の移動をおこなってきました。

 移動した卵は各地で育ち、野生復帰事業のために放されたり、各施設の飼育個体群に参加することによって国内のコウノトリ個体群の遺伝的多様性に貢献したりしています。

 今年も5月23日、5個の卵を多摩動物公園から兵庫県立コウノトリの郷公園へ移動させました。コウノトリは大型の鳥なので、親鳥を運ぶのに比べると卵を運ぶのは、さまざまなコストやリスクを軽減できるというメリットがあります。


 卵の輸送は、送り出す施設と受け取る施設の双方の職員が連携・協力し、携帯用孵卵器に入れて運びます。今回もコウノトリの郷公園と多摩動物公園の職員が新幹線を利用して輸送しました。コウノトリの郷公園に無事に到着した5卵が、仮親となる新たな両親のもとで、すこやかに成長することを期待しています。

〔多摩動物公園野生生物保全センター 倉持浩〕

(2018年06月01日)


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