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にぎやかになったキリン舎──ユリネ・アミ・ユリアの出産
 └─2018/02/23

 多摩動物公園では昨年(2017年)10、11、12月と連続してキリンが誕生しました。

 出産をひかえたメスのキリンは出産予定日の約1か月前になると、夜は群れから離して産室に移します。ふだん群れでくらすキリンにとって、群れから離れて1頭になるのは不安なことです。とくに初産の個体は産室に慣れるまで時間がかかりますが、そこに自分だけのえさがあると気づくと、スムーズに出入りするようになります。


母親ユリネと子のジュリー

 10月24日、4歳の「ユリネ」がオスの子「ジュリー」を出産しました。出産直後に濡れた子の身体を舐めて世話をし、初産にもかかわらずとても落ち着いていました。乳房は大きく張り、母乳の出もよかったようです。

 通常、親子は柵越しを隔てて群れと接し、生後50~60日令くらいで群れに入るのですが、ユリネの後にもメスが2頭出産を控えていたため、ジュリーは少し早めに生後35日令で群れ入りさせることにしました。ふだんならグレビーシマウマやシロオリックスに驚かされるところですが、工事のためいなかったため、早めの群れ入りを決めました。

 11月26日、11歳の「アミ」がメスの子「アイ」を産みました。多摩動物公園で180頭目のキリンの誕生です。今回が初産だったアミは、群れがいる部屋の隣にある産室に移されることを嫌がりました。そこで、群れから完全に離れたもう1つの部屋に入れることにしました。ただし、アミが単独で入ってくれる可能性はなさそうだったので、同じく出産をひかえた「ユリア」と同居させることにしました。メス2頭を同じ部屋で出産させるのはこれまでにない試みです。

 アミは2歳で来園して以来、出産経験はないものの以前から面倒見のよい個体だったので、育児は何の問題もありませんでした。子のアイはアミのところへ頻繁に母乳を飲みに行くのですが、当初、アミの乳房は大きく張っていなかっため、出産後数日は少し心配でした。しかし、日に日に乳房が大きくなり、アイの体つきもしっかりとしてきました。

 そして12月25日のクリスマスの日、6歳の「ユリア」がオスの子「ジュア」を出産しました。2産目で落ち着いているユリア親子のようすを見て、担当者一同も安心しています。


柵越しに群れとあいさつ。柵の手前の子どもがジュア、画面右にその母ユリアがいる。
柵の向う側からジュアにあいさつをしているのはユリネ


柵の手前中央にアミ親子、その右にユリア親子がいる

 年が明けた2018年1月24日、雪の残る寒い中でしたがアミ親子が無事群れ入りしました。最後に生まれたジュアもまもなく群れ入りの予定です。


室内でくつろぐ子どもたち

 こうして多摩動物公園のキリンの群れはにぎやかになりました。子ども1頭が走り出すと他の個体もつられて走り出すなど、子どもどうしの関係や群れの動きなどを観察できると思います。なお、キリンは寒さに弱いので、冬の間は運動場に出る時間を短くしています。ご理解くださいますようお願いいたします。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 齊藤美和〕

(2018年02月23日)


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