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今年生まれのアカハシハジロの性別は?
 └─2017/10/13

 多摩動物公園の「育雛舎」(いくすうしゃ)では、春から初夏にかけて園内の各飼育舎から卵が集められ、人工孵化や人工育雛がおこなわれます。秋になり、ひなたちはすっかり成長してそれぞれの飼育舎へ戻っていったところです。

 今年(2017年)6月に孵化したアカハシハジロも先日、育雛舎からマレーバク舎隣の「カモ池」へ移動しました。この時期、おとなのアカハシハジロはオスとメスで外見がはっきりと違いますが、今年生まれの若鳥たちはまだほとんど同じに見えます。そのため性別はまだわからない……と思われるかもしれませんが、この若鳥たちの性別はすでに判明しています。じつは、DNAを用いて性別を調べたのです。


おとなのアカハシハジロ(手前2羽がオス、奥の1羽がメス)


2017年6月生まれの若鳥たち(オス2羽、メス2羽)

 多摩動物公園の野生生物保全センターでは、10年以上前から動物たちのDNAを調べる仕事をしています。DNAは生物の細胞の中にあり、性別などの情報を読みとることができます。今回は孵化後の卵殻内に残ったひなの細胞をつかって、孵化後2~3日目には性別を明らかにしました。

 性別が早い段階でわかると将来の繫殖や移動の計画に役立つほか、飼育係がひなを育てる際の参考になります。たとえば、飼育係は定期的にひなの体重を測定し、成長を確認しながらえさなどの調整をします。そのとき性別がわかっていると、「アカハシハジロのオスはメスより大きい」といったその種の一般的な性差を考慮できるようになります。また、性別があらかじめわかっていると、少しずつ現れる雌雄の外見の違いに注目しやすくなります。

 若鳥たちのくちばしや羽の色がこれからどのように変化していくか、楽しみです。

〔多摩動物公園野生生物保全センター 高柳真世〕

(2017年10月13日)


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