ニュース
緑の中にえさを作る──シラカシの植樹
 └─2017/05/19

 5月の多摩動物公園は新緑いっぱいで、気持ちのよいシーズンです。

 そんな緑が映える中、動物たちのえさを担当する者として、ここ数年利用が多くなっているシラカシの枝(シラカシの剪定枝)についてご紹介しましょう。

 シラカシは園路沿いにもあるブナ科の常緑樹で、10メートル20メートルくらいまで高く成長します。動物園の動物は、他のカシ類に比べるとシラカシを好んで食べます。草食獣を中心に、えさとしてよく与えています。

 現在、シラカシの剪定枝を週に3回、毎回100~150キロ程度を購入しています。また、園内の茂りすぎたシラカシを剪定して整えるとき、切り落とした枝もえさとして利用しています。アジアゾウ、アフリカゾウやキリン、チンパンジーなどさまざまな動物がシラカシを食べています。


シラカシを食べるキリンたち

 えさの需要が多いシラカシの剪定枝ですが、園内にあるシラカシは、景観を保つという観点から自由に剪定することができません。そこで、飼料用に切ってもよいシラカシ林を園内に確保できないかと2年前に若手飼育係が発案し、園の植物を管理する部署と協力して、園内に高さ1メートルほどのシラカシの幼樹を、一昨年は5本、昨年は10本と植樹しました。

 植樹して3年後から利用を開始すると、その後順調に使えるといわれているので、来年の今頃は十分枝葉を伸ばしたシラカシになってくれていると思います。まだまだ微々たる量ですが、購入した枝の補助や緊急時等に活用しようと考えています。


昨年(2016年)の植樹のようす

(2017年05月19日)


ページトップへ