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シフゾウ「セナ」の来園
 └─2017/03/31

 2017年3月17日の朝、シフゾウのメス「セナ」(11歳)が熊本市動植物園から多摩動物公園に来園しました。繁殖を目的として、多摩のメス「ありさ」(13歳)と交換する形で移動させたのです(お知らせ)。


 移動にあたり、先にありさを熊本に送り、その後、セナを多摩に移動させる計画を立て、まず、ありさを入れた輸送箱と空の輸送箱を熊本に輸送することになりました。そこで、搬出日の3月15日までにありさには輸送箱に慣れてもらおうと、10日前から箱に入る練習をしてきたおかげで、無事に送り出すことができました。

 ところが、ありさが熊本に到着した3月16日の午前中、セナがもう一つの輸送箱に入れられて出発したとの連絡を受けました。箱に入る練習をする時間もないのに、どうやって輸送箱に入れることができたのか不思議に思いましたが、事実翌日の朝、セナは無事多摩動物公園に到着したのです。

 到着したセナはすぐシフゾウ舎の寝室に入り、落ち着たようすでした。搬入のようすをじっと放飼場から見ていたオスの「アオバ」は、見慣れない個体にすぐ気づいて鼻を鳴らしていましたが、メスの「カオル」は気づいていないようでした。しかし、2頭が動物舎に入る際、なにか違う雰囲気やにおいを感じたのか、寝室の前で立ち止まって何かに入ろうとしませんでした。

 3月16日から飼育施設内でセナの検疫を始めました。検疫中は放飼場に出ることができません。ずっと寝室内で過ごし、外に出られないイライラのためか、セナはあまり座ることもなく、寝室の中を歩き回ることが多くなりました。シフゾウの足の裏は弱いため、ずっとコンクリートの上を歩きまわると出血することがあります。セナも前肢から出血が見られたため、いつもは一部にしかしかない敷ワラをほぼ全面に置きました。その後、無事セナの出血も収まり、日中座ることもしだいに多くなりました。そしてようやく3月24日、検疫終了の日を迎えました。

 3月25日からセナを小パドック(小放飼場)に出し、寝室に出入りする練習や、柵越しにアオバとカオルを見せて、他の個体を認識させています。今後は大放飼場にセナ1頭で出し、放飼場に慣れたらアオバとカオルそれぞれと同居させ、その後、3頭同居という計画です。しかし、大放飼場に出るまでには時間がかかる見込みです。まずはセナの安全第一を考えて準備をしています。みなさんの前にデビューするまで、しばらくお待ちください。

〔多摩動物公園南園飼育展示係 横田利明〕

(2017年03月31日)


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