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サバンナの新たな仲間、キリンの「ユルリ」
 └─2017/03/03

 多摩動物公園のキリン舎で、2017年1月31日にキリンが1頭誕生しました。性別はメス、名前は母親の「ユーカリ」と父親の「ジル」から文字を取って「ユルリ」と名づけました。


ユルリと父親ジル

 最近、多摩動物公園では5頭連続でオスが生まれていたため、久しぶりのメスの誕生に係員一同で喜びました。ユルリはユーカリの第4子で、父親ジルにとっては初めての子です。ジルもユルリをよく気にしているようすが見られます。

 出産当日の朝、係員がキリン舎に到着すると、一角にある産室周辺に多くの個体が集まっていました。産室ではすでに子が生まれていましたが、生まれたばかりらしく、毛が濡れていました。あとで監視カメラの録画で確認してみると、係員到着の10分ほど前に生まれたばかりでした。

 キリン誕生の際、飼育員がまず心配するのは、子が無事に立ち上がり、母乳をきちんと飲むかどうかです。キリンのような草食獣の多くは立ったまま授乳をするので、生まれたこどもにとってこれが最初の関門です。

 ところがユルリは私たちの心配をよそに、生まれて35分ほどで立ち上がり、授乳もすぐに確認できました。とても元気な子どもです。ところがいったん立ち上がると、夕方まで一度も座ることがなく、立ったままウトウトし始めたため、今度は逆に座り方を知らないのではないかと冗談半分な心配までしました。しかし、翌日には座っている姿が確認でき、ようやく一安心しました。

 冬の寒い時期に生まれたため、数日間は体を冷やさないよう、ふだんは日中開け放っているキリン舎の扉を閉め、寝室全体を暖房で暖めました。


寝室から外の大放飼場を眺めるユルリと母ユーカリ

 生後6日目以降、天気のよい日は日中扉を開放し、寝室の外のパドック(小運動場)まで出入り自由にしました。元気いっぱいなようすのユルリでしたが、パドックに出るのに慎重で、生後8日目になってようやく母親の後を追って出入口まで来ました。ところが、そこからの一歩がなかなか踏み出せません。しばらくすると、おそるおそる出てくるようになり、その後はすぐに外の世界に慣れ、母親が出なくても自らパドックに出て、大放飼場にいる他の個体と柵越しに触れ合っています。

 現在、多摩動物公園のキリン舎には、生まれたばかりのユルリ、生まれて半年が経過した「ユビスケ」と「テンスケ」、今年2歳になる「ユラノスケ」の合計4頭の子キリンがいます。キリンの子どもたちを見比べて、その成長を観察してみてはいかがでしょうか。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 小林飛文〕

(2017年03月03日)


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