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ゴールデンターキンの日々の食事とメイの成長
 └─2016/11/04

 今年(2016年)2月7日に多摩動物公園で生まれたゴールデンターキンの「メイ」(メス)は、この9か月間でだいぶ成長しました。生まれた直後、体毛はこげ茶色でカールしていましたが、だんだんと白っぽい直毛へと生え変わり、おとなの毛色に近づきつつあります。

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 角は、6月初旬には遠目でポコッと出ているのがわかるようになりました。8月下旬には長さが約5センチに、そして10月下旬には約10センチになり、先端が細くとがってきました。

メイ(左)とテン(2016年6月)

 メイと他のターキンたちとの関係性にも変化が出てきました。はじめは母「オーキ」よりも、父「テン」やおばの「フウカ」と遊ぶのが大好きで、メイみずから積極的に遊びに誘ったりして、無邪気さがあふれ出ていました。しかし、成長するにしたがっておとなたちと遊ぶ時間が減り、ひとりで過ごすことが多くなりました。

メイ(2016年10月)

 体の大きさも日に日に大きくなっていくのがわかり、メイの成長の速さに驚かされます。それもそのはず、メイの食欲は今やとどまるところを知らず、おとなたちが朝の食事後、それぞれ座って一段落しているあいだも、メイはあちこちで乾草や落ち葉を食べ歩いています。まだ体が小さかった頃は放飼場の壁のわずかな凹凸をヒョイヒョイと身軽に登っていましたが、最近は大きくなったせいか、その行動は見られなくなりました。

 そんな食欲旺盛なメイや他のターキンたちは青草や乾草、シラカシをいつもの定食としていますが、担当者としては、さらにバラエティーに富んだ食べ物を提供するよう心がけています。幸い、多摩動物公園は多くの木々に囲まれ、自然豊かな環境にあるので、その恵みをできるだけ活かして、草木が生い茂る時期には、園内のさまざまな植物をいつものえさに加えています。

 たとえば、クズやアオキ、クワなどは園内に多く生えているので頻繁に調達できます。また、剪定作業で大量に出るコナラ、ミズナラ、ヤマモモも好んで食べます。さらには、セイタカアワダチソウなど、いわゆる雑草もターキンには喜ばれます。


タケを食べるレイカ

 レッサーパンダの食べ残しのタケもターキンの好物です。朝、放飼場に竹枝を何か所かに置いておくと、夕方には葉はきれいになくなり、枝だけが残っていることもしばしばです。その枝を放飼場の壁や丸太の穴に差しておくと、ターキンたちが体を掻く道具としても使用できます。これから寒くなると、レッサーパンダにとってはタケがおいしい季節となり、タケの葉の食べ残しがほとんどなくなるので、ターキンへのおすそ分け(?)をいただくチャンスは減るでしょう。

 ちなみに、ターキン舎隣の、ヨーロッパをおもな生息地とするシャモアの放飼場にもタケを置いたところ、シャモアは興味を示しませんでした。やはり竹を食べるのは、アジアの山岳地帯にすむターキンならではの特徴なのかな、などと勝手に想像したりしています。

〔多摩動物公園南園飼育展示係 生井澤初枝〕

(2016年11月04日)


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