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アフリカゾウの新年度! 「アコ」再放飼と「砥夢」トレーニング再開
 └─2016/05/13

 記事などでお知らせしていた多摩動物公園のアフリカゾウ舎の改修工事は、ようやく2016年4月8日にすべて終了しました。

アフリカゾウ「砥夢」7歳の誕生日!だけど工事中です……(2016年3月11日)

 約4か月間、放飼場裏の通路で過ごしていた「アコ」を、ようやく広い運動場に出せるようになりました。しかし、簡単にはいかないのが野生動物の難しいところです。

 ゾウは大きな体をしていますが警戒心がとても強く、環境の変化や新しいものに慣れるまで、とても時間がかかります。また、アコは3頭の中でもとくに繊細な性格なので、運動場にふたたび出す作業は慎重に進めました。


落下防止柵を気にするアコ

 今回、トレーニング用の柵、日除け、堀に落ちないようにする落下防止柵など、大きな設備が作られたので、驚いてパニックにならないか心配していました。しかし、事前に綿密なシミュレーションしていた甲斐もあって、4月11日、無事運動場に出すことができました。最初は見慣れない柵などのにおいを嗅いだり鼻で触ったり、警戒しているようすでしたが、しばらくするとえさを食べ始め、水や砂を浴びたりして4か月前と変わらない行動を見せてくれました。


アコとトレーニング柵と日除け

 トレーニング用の柵だけは大きさのためか、近づくようになるまで時間がかかりましたが、最近では柵に吊り下げた青草やカシの枝などを取って近くで食べるようになりました。今後はこのトレーニング用の柵を使って少しずつ訓練し、爪を削ったり、採血をしたり、適切なケアをしていこうと考えています。


耳を出すトレーニング中の砥夢

 一方、通路にいたアコを外に出せたので、日中「砥夢」を部屋の中に入れることができるようになり、以前から午後おこなっていた砥夢のトレーニングも再開しました。4か月間トレーニングを休んでいたので、忘れてしまっているのではないかと心配しましたが、以前同様、足を上げたり耳を出したりと、しっかりトレーニングに応じてくれました。

 また、この4か月で身体も成長し、肩までの高さは約2メートル40センチとなり、いっしょに運動場に出ている「チーキ」と同じくらいになりました。

 新年度を迎え、施設改修も終わり、より快適にいろいろなことができるようになりました。今後はこの施設を活かして、動物たちがよりよい生活を送れるよう、工夫していきます。人も動物も慣れるまでに時間がかかると思いますが、今年度もアフリカゾウをよろしくお願いします!

〔多摩動物公園北園飼育展示係 齋藤友樹〕

(2016年05月13日)


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