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チンパンジー「モミジ」の来園と「アンナ」の旅立ち
 └─2016/01/15

 2015年11月17日、豊橋市総合動植物公園から多摩動物公園にチンパンジーのメス「モミジ」が到着しました。血統更新のための移動です。


毛づくろい中の2頭。左:デッキー 右:モミジ

 現在、到着から約2か月が経ったところですが、ようやく多摩のえさや飼育係、施設に慣れてきたようです。ただし、ここからが難関です。先住組の18頭との顔合わせと同居が待っています。チンパンジーの社会では、新入り個体は自分が劣位を表す挨拶をするのが大事なのですが、モミジは挨拶を含め、コミュニケーションが不得手らしく、少し難航しています。そこで比較的、寛容なオスたちとの同居から進めています。

 12月16日には、モミジと入れ替わりに「アンナ」が豊橋市総合動植物公園へ旅立ちました。アンナは多摩動物公園で生まれ、今年で11歳になるメスです。

 私が飼育担当になった時、アンナは6歳でした。アンナは当時、まだ遊び盛りの子どもで、同年齢の「ミカン」や「ボンボン」と一日中走り回ったり、弟や年下の子の世話を焼いたり、かわいらしい「おんなのこ」でした。

 11歳になった今、顔つきにまだ幼さが残るものの、もうおとなです。チンパンジー間の挨拶も問題なくできるようになり、食べ物の好き嫌いもありません。飼育係からの指示の聞き分けもよく、新しい群れにも移動できる立派なチンパンジーに育ってくれました。ただ、母親に似て、大げさに騒ぐくせがあるので、豊橋のチンパンジーたちと飼育係を驚かせていないか心配なところです。

 来園したモミジも旅立ったアンナも生まれ育った動物園を離れました。大きな環境の変化ですが、2頭が一日も早く「多摩のモミジ」、「豊橋のアンナ」になれるよう、飼育係として努力し、工夫しようと思っています。

・関連ニュース
チンパンジーの新しい仲間『モミジ』がやってきます!」(2015年11月12日)
チンパンジーの『アンナ』が豊橋に移動します」(2015年12月10日)

〔多摩動物公園北園飼育展示係 牧村さよ子〕

(2016年01月15日)


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