多摩動物公園「アジアの平原」のモウコノウマ舎で今年(2015年)6月19日、「ハーン」以来4年ぶりにモウコノウマ(メス)が誕生しました(
おしらせ)。元気に育っています!
両親は2013年にスイスの動物園から来園したメスの「ザルツァ」とオスの「クヴァジー」です。ザルツァは昨年春に初めて出産を経験しましたが、残念ながら子どもは翌日死亡してしまいました。その件があっただけに今年こそは!と期待していたザルツァの出産。無事生まれ、育っていることに胸をなでおろしています。
ザルツァは子育てが初めてとは思えないほどしっかりとした母親ぶりで、子をつねに気づかい、周囲への警戒もおこたりません。出産直後は、子馬を柵越しに観察することも許してくれませんでした。ちょっと立ち止まって覗こうものなら、子どもを隠すように前に立ちはだかります。それでも見ていると耳を伏せて目をむいたザルツァが突進してくるので、ふだんはザルツァに気づかれないようにそっと盗み見るほどでした。

生まれた日のイルムーン
子の体は全体的に白っぽく、毛がカールしています。たてがみも巻き毛で、体全体がもこもこしている姿は子馬というよりもまるでヒツジのようでした。
生後4か月を過ぎた現在、干し草や青草を真っ先に食べるようになり、徐々におっぱいを飲む姿は見られなくなってきました。跳ねたり走り回ったり、子馬らしさ全開で動き回る時間も増えました。子馬の成長は早く、徐々にもこもこした白い毛が抜け始め、短く茶色の大人の毛が見られるようになり、体の大きさもぐっとたくましさが感じられるようになってきました。

群れに入ったイルムーン
夏から始めた群れに入れる練習の際には、ザルツァの母親ぶりが存分に発揮され、他の個体が子馬に近づくと、相手を蹴ることがあったくらいです。新しい施設に移って初めてのモウコノウマの子なので、群れに入れるにあたって不安や心配はつきませんでしたが、10月1日朝から、無事全頭いっしょに運動場に出ることができるようになりました。

すっかり馬らしく成長したイルムーン
〔多摩動物公園南園飼育展示係 清水聡美〕
モウコノウマ名前お披露目会
お知らせしたとおり、子馬の名前はモウコノウマの生息地モンゴルにちなみ、モンゴル語で「イルムーン」(意味:活発な、俊敏な)となりました。
下記のとおり名前のお披露目会をおこないます。飼育担当者がモウコノウマの子どもについてお話をするとともに、参加者には記念品もプレゼント! ぜひお越しください。
日時 2015年10月31日(土)14:00から
場所 アジア園「アジアの平原」モウコノウマ舎(雨天時:ウォッチングセンター動物ホール)
(2015年10月20日)