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トナカイ「レラ」の誕生と成長
 └─2015/07/17

 「トナカイ」と聞いて、みなさんはどんなイメージをもつでしょうか。サンタクロースのそりを引いている動物を思い描く方も多いと思います。クリスマスや雪が降る寒い季節のイメージかもしれません。では、そんなトナカイの記事をなぜこの時期にお届けするのかというと、ちょうど今、トナカイの子どもが見られる季節だからです!


母親ノンノと誕生翌日のレラ

 トナカイの出産は日本では5月に集中します。多摩動物公園でも今年(2015年)5月20日にトナカイのメスが誕生しました。父親は、今は長野県の須坂市動物園にいる「イコロ」、そして母親は「ノンノ」です。子は「レラ」と命名しました。アイヌ語の「レラ」には「風」という意味があります。多摩動物公園のトナカイの群れへの新たな風となるよう、この名前を選びました。ちなみに父の「イコロ」には「宝物」、母の「ノンノ」には「花」という意味があります。


竹ぼうきにちょっかいを出すレラ

 レラは6月6日、ほかのトナカイがいる広い運動場へ初めて出て、みなさんの前にデビューしました。最初こそ、あたりを走り回って落ち着かないようすでしたが、すぐに運動場に慣れ、すんなりと群れに加わることができました。

 しばらくの間は母親を呼んで鳴いていましたが、今では母親から離れていても、マイペースに過ごしている姿がよく見られるようになりました。いろいろな物に興味をもち、群れのほかのトナカイともなかよく過ごしているようです。


角が伸び、少し体も大きくなってきたレラ

 レラはこれまで私の姿を見ると走って逃げていたのに、最近は、えさを与えに行くと近くに来て食べるようになりました。そんなレラにも角が生え初め、体も日に日に大きくなってきています。秋ごろには母ノンノと変わらないほどに育つでしょう。

 多摩動物公園にご来園の際は、ぜひトナカイたちを見に来てください。レラと呼びかけると、近くに来てくれるかもしれません。なお、暑い日や雨の日は運動場に出ていないこともあります。あらかじめご了承ください。

〔多摩動物公園南園飼育展示係 田村隼人〕

(2015年07月17日)



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