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ツキノワグマ「ソウ」と「タロコ」の来園
 └─2015/05/22

 昨年(2014年)9月、多摩動物公園のヒグマ「ミチ」が死亡し、しばらく空き家だった飼育展示施設に、4月20日、上野動物園から2頭のツキノワグマがやってきました。オスの「ソウ」とメスの「タロコ」です。

・ニュース「ツキノワグマの『ソウ』と『タロコ』が上野動物園から多摩動物公園へ移動します」(2015年4月15日)

 通常、来園する動物は動物病院で各種の検査などを受けるのですが、事前に検査をすませていたので、2頭は直接クマ舎へに入れることになりました。

 オスのソウは部屋に入るなり、準備してあったえさを平らげたので、見ている方も一安心しました。ところが、メスのタロコはとても警戒心が強く、部屋の壁に向かって立ち上がる行動をとりました。タロコが警戒しているときに見せる行動です。


警戒して室内で壁に向かって立ち上がるメス「タロコ」

 移動から2日後の4月22日、休園日を利用してオスのソウを運動場に出しました。初めての場所なので、ソウの動きはとても慎重でした。部屋から放飼場への通路の最後の扉から体を出したのに、後ろ足だけが室内に残っているのです。しばらくして放飼場に出ていきましたが、扉は開けたままにしておきました。何かあっても、とりあえず室内に戻れれば安心できるようにするためです。ソウは、何かに驚いては室内に戻ってくることを繰り返していました。中でも軽トラックとバイクの音にはとても驚いたようでした。


どこか不安げに放飼場に出るオスの「ソウ」

 そろそろ多摩に来て1か月が経とうとしていますが、まだまだ、ソウもタロコも警戒心のかたまりです。ソウは放飼場に出ますが、室内との扉を閉めることができません。タロコにいたっては放飼場に出すことすらできずにいます。あらためてクマが警戒心の強い動物だったことを認識しているところです。ソウとタロコ、2頭そろって放飼場に出るまでまだ時間がかかりそうですが、長い目でお待ちください。

〔多摩動物公園南園飼育展示係 土屋泉〕

(2015年05月22日)


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