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ムフロンとヒマラヤタール、オスとメスの同居
 └─2015/03/13

 今年(2015年)の干支の動物は未(ヒツジ)です。そのヒツジの祖先といわれ、注目度があがっているのがムフロンです。多摩動物公園のムフロン舎では、赤ちゃんを産んでもらうために、昨年の秋からオスとメスの同居を始めました。


ムフロンのオス「ヒロト」(左)

 当初、オス3頭とメス4頭を同居させましたが、メスをめぐってオスどうしで頭突きを繰り返し、いちばん強い「ヒロト」が他のオス2頭を追いかけ回すので、ヒロト1頭のみにしました。


ムフロンのメス。左から「イズ」「マル」「キン」

 メス4頭のうち、1頭は多摩動物公園で2009年に生まれた「ソノ」です。その他の「イズ」「マル」「キン」は、伊豆アニマルキングダムからやってきた個体です。3頭の耳には、交通信号よろしく、それぞれ赤・青・黄色の個体識別用の色がつけました。

 3頭は、他の個体にくらべてやや大柄で、強気な反面、神経質な面ももちあわせています。今はやらなくなりましたが、来園当初は、担当職員が近づくとじっとこちらを見つめていたり、前足を地面に打ちつけて威嚇してきたりすることもありました。

 なお、追い出されたかたちとなったオス2頭はとなりの運動場に入れたのですが、ことあるごとにヒロトを相手取ってフェンス越しに頭突きをしていました。やがてフェンスは変形し、とうとう補強用の鉄の棒もはずれるほどになったので、目隠しとして分厚い合板(コンパネ)を設置しました。オスたちはこれでようやく落ち着いたのですが、それでも板の向こうに相手がいるのがわかるのでしょう、頻度は少なくなりましたが、たまに頭突きを繰り返していました。


ヒマラヤタールのオス「マナスル」(右)とメス

 なお、ムフロンのとなりにいるヒマラヤタールですが、ながらく種オスとして人気のあった「ブラック」が昨年1月に死亡し、息子の「マナスル」が後を継いでいます。このたび、マナスルを初めてメスと同居させました。相手は「アンズ」と「ナツミ」の2頭です。同居直後、興奮気味だったマナスルはさかんにメスを追ったりしていましたが、その後は落ち着き、広い運動場でメス2頭とともに悠々と過ごしてきました。

 ムフロンもヒマラヤタールも同居は3月上旬に終えました。同居中、何回か交尾を確認しました。個体の体調や雌雄の相性の問題などもありますが、いずれにせよ赤ちゃんが何頭生まれるか、楽しみにしているところです。

〔多摩動物公園南園飼育展示係 野村友宏〕

(2015年03月13日)


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