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「笑う」カワセミ、8年ぶりに来園
 └─2015/01/23

 朝夕に軽快な笑い声を聞かせてくれるワライカワセミが8年ぶりに、しかも2羽、多摩動物公園にやってきました。

 1羽は2014年11月8日、秋田市大森山動物園から来園しました。13歳のメスで、足環が赤いので名前は「紅」(ベニ)です。

 
左:大森山動物園から来園した「紅」 右:上野動物園から来園した「ロゼ」

 動物が来園した場合、まず病気や寄生虫の有無を調べるため、一定期間、動物病院で「検疫」をおこないます。異常がなければ、はれて動物舎に移します。検疫中の紅は、1日にマウスを2匹も食べたりして、食欲旺盛で心配なようすは特にありませんでした。

 ところが、ワライカワセミ舎に移した途端、マウスをまったく食べなくなりました。また、係員が部屋に近づくだけで、壁にぶつかりながら暴れ回り、非常に神経質なようすでした。「時間がたてば、徐々に慣れてくるだろう」と思っていたのですが、1か月が過ぎても、部屋に近づくと紅はそわそわして落ち着かなくなる状態が続きました。

 さらに半月が過ぎた12月23日、もう1羽が上野動物園から来園しました。こちらはオスで、足環が桃色なので「ロゼ」と呼ぶことにしました。ロゼは2014年6月に孵化しました。将来、紅との繁殖相手として上野動物園からやってきたのです。

 まずはお見合いのため、格子で仕切られた隣の部屋に入れました。すると、すぐに紅が近づいてきて鳴き始めました。声に反応したロゼも鳴き返し、長い間おたがいに鳴き交わしていました。


並んで止まる2羽

 数日間ようすを見ていると、ロゼと紅はたがいに相手が非常に気になるようで、格子越しに長時間見つめあっている姿が多く見られました。そこで、見合い開始からわずか5日で同居させてみたのですが、やはり相性が非常によかったようで、同居後、何の問題もありません。うれしい誤算はそれだけではなく、2羽になったことで余裕が生まれたのか、紅のそわそわした行動が見られなくなりました。

 ワライカワセミは1歳で性成熟に達するので、もしかすると今春、繁殖行動が見られるかもしれません。13歳の年齢差。ぜひ「超!年の差カップル」を見に来てください。

〔多摩動物公園南園飼育展示係 高岡英正〕

(2015年01月23日)


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