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キリンの子「ワビスケ」すくすく成長記
 └─2014/12/06

 2014年9月30日、多摩動物公園のキリン「アオイ」がオスの子を出産。「ワビスケ」と名づけました。成長のようすをご紹介します。

 生まれたばかりのワビスケは頭までの高さが約 160センチでした。キリンの子としてはひと回り小さく、見た目にもかなり弱々しい印象でした。生まれて2時間後にようやく立ち上がることができましたが、なかなか歩けるようにならず、もしかしたら人工哺育になるかも!?と心配な状態でした。

 しかし、母親アオイはワビスケの体をよく舐めたりして母親らしい行動をとっています。不安ながらも親子を信じて見守り続け、5時間経ってようやく授乳を確認したときは、係員一同ほっと胸をなでおろしました。

 10月3日に小放飼場に出したところ、運動量が増したこともあり、日に日にワビスケの足腰はしっかりしてきましたが、アオイの母乳が足りていないようすが唯一心配でした。しかし、ワビスケの食欲に合わせるかのようにアオイのおっぱいも段々と大きくなり、今では授乳の際に口からはみ出るほどの量が出るようになりました。つくづく立派な母親だと感心しています。


2014年10月3日、初めて小放飼場に出たワビスケ


 生後1か月経ち、頭までの高さが約 195センチになりました。生まれたばかりのキリンの通常の大きさです。そのためか、通常なら生後1か月で母乳だけではなく青草なども食べ始め、反芻もするようになるところを、ワビスケはまだまだ母乳一筋!!といった感じでした。それでもゆっくり成長していけばいいんだと、逆に教えられたように感じました。

 11月中旬からようやく青草やペレットを食べ始め、反芻もするようになり、気づけば頭の高さは2メートルを超え、こちらが少し見上げるような大きさになりました。生まれた頃の弱々しさはみじんもなくなり、首や四肢も太くたくましくなって、係員が近づくと足で蹴ろうとしてくるので、容易に近づくことができません。


2014年11月13日撮影


 あれれ、キリンの子どもってこんなだっけ?と思いましたが、それもそのはず、じつは多摩動物公園でキリンのオスの子が育つのは1998年以来のことなのです。今の係員はメスの子しか知らなかったので、その違いに新鮮な驚きを感じています。今後はどんな違いを見せてくれるのかなと、ワクワクしながら成長を見守っています。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 清水勲〕

(2014年12月06日)



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