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サーバル「ユリ」来園
 └─2014/11/21

 羽村市動物公園から多摩動物公園に、サーバルのメス「ユリ」がやって来ました。2014年11月9日に1歳になったばかりのまだ若い個体です。

 ユリが来園したのは10月27日。すぐサーバル舎には入るわけではなく、まずは動物病院で「検疫」をおこないます。今回にかぎった話ではなく、園の外からやって来た動物には「検疫期間」というものを設け、血液や糞を調べて伝染病などにかかっていないかを調べます。

 検疫期間は11月8日で終了し、ユリはサーバル舎までやって来ました。じつはユリは、現在多摩動物公園で飼育しているサーバルの中でも最高齢個体である「シオン」(メス)の孫にあたります。

 サーバル舎に入ったユリは、やはり慣れない環境で落ち着かないためか、最初のうちは鉄扉のそばの隅に隠れ、顔を半分だけ出してこちらをうかがう姿が目立ちました。



 人の行き来を気にするようだったので部屋の前に目隠しを置いたところ、隠れる場所を鉄扉のそばから目隠しに近い場所に変えてみたりもしていました。しかしユリはまだ幼く、好奇心には勝てないのか、係員が作業をしていると、その腰にぶら下がっている鍵の束を興味深げに見に来ることもありました。



 数日たつと物陰に隠れる頻度も減ってきたので、休園日を利用して運動場に初めて出してみました。動物が動物園でくらしていくには、部屋や運動場に慣れ、出入りのしかたを覚える必要があります。しかし、当然初めはうまくいきません。ユリはしばらく部屋から顔だけ出して外をうかがうと、運動場のにおいを嗅ぎながら少しずつ行動半径を広げていきました。時折通りすぎる車や園内放送の音が聞こえるとあわてて部屋に戻ります。安全とわかると、運動場の茂みの中に入ってウトウトしていることも。

 こうした行動を繰り返していくうちに運動場にも慣れていくはずです。現在はまだ練習中なので、運動場に出すローテーションには組み込まれていません。正式デビューするまでもう少し時間がかかると思いますが、もしユリの姿を見かけることがあったらそっと応援してください。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 野本寛二〕

(2014年11月21日)


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