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チーター「スミレ」、3度目の出産
 └─2013/02/22

 2011年6月に4頭を出産した多摩動物公園のチーター「スミレ」は、2012年夏を過ぎたころから、放飼場で子と距離をもって接するようになり、1年以上におよぶ子育てが終わりを告げたようでした。通常チーターは子育て中には発情せず、子育て後に再び発情期が訪れます。

 そこで、2012年10月5日にスミレとペアになりえるカイ、カケルの兄弟を放飼場に出すと、2頭そろって激しく鳴き始めました。これは前日スミレが放飼場に残した臭いに反応したもので、時期的にスミレに発情がきたことが考えられたため、急遽見合いをおこないました。

 2011年のスミレの繁殖相手はカイでした。そこで今回も格子越しに見合いをさせたところ、お互いに鼻をすり合わせ、スミレは受け入れる姿勢を見せました。発情期の行動と確信し、2頭を一緒にすることにしました。
 以前に同居させたとき、気の強い2頭は交尾後に激しく追いかけ合い、お互いをモート(水掘り)に落とすということが起こったので、今回は飼育係2名が待機して万全を期しましたが、予想に反し、問題なく順調に交尾は終了しました。チーターの発情期間は非常に短く、交尾が可能なのは約2〜3日と考えられ、3日目に格子越しに会わせたときは、カイは唸り声を上げ、同居させられる状態ではありませんでした。

 交尾後50日目あたりからスミレの腹部のふくらみが目立ち始め、2013年1月6日、元気な5つ子を産みました。スミレにとっては3度目の出産だからなのか、授乳も落ち着いておこなっていました。

 数日後、子どもたちの体重測定をおこない、順調に成長していることを確認しました。現在2キロを越えるまでになりました。

 寒さに弱い動物なので、現在は裏の運動場で少しずつ外の環境に慣らし、一般公開に向けた準備中。放飼場にデビューした際には、子どもたちの愛くるしい姿を見に来てください。

「チーターに五つ子が生まれました!」(2013年01月31日)

写真上:裏の運動場での母子
写真下:5頭の子どもたち(手前右はキングチーター)

〔多摩動物公園北園飼育展示係 佐々木悠太〕

(2013年02月22日)



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