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ムササビのかじりワザ
 └─2013/02/15

 多摩動物公園アジア園ムササビ舎では、現在、展示の部屋にオス2頭、奥の部屋にメス1頭、計3頭のムササビを飼育しています。
 ムササビは、基本的に単独でくらしますが、展示のオス2頭は、動物園という特別な場所だからなのか、同居してもケンカすることなく仲良くくらしています。 

 メスの「アズミ」は、2011年9月幼獣のときに保護され、2012年4月まで園内の動物病院で過ごした後、ムササビ舎に移動し、オス2頭とは別の奥の部屋でくらしています。

 アズミの部屋には今までいくつかの巣箱を設置してきましたが、中にいるアズミの体が見えるほど入口が大きい巣箱だったので、落ち着かないようでした。

 そこで、全身が隠れるような入口が小さい小鳥用の巣箱を、新たに設置してみました。しかし、入口が小さ過ぎたため、肩が引っ掛かって入ることができません。

 野生のムササビはあまり地面に降りませんが、アズミはよく床を歩くので、巣箱を床に置いておけば、自分でかじって入口を大きくするのではないかと期待してようすをみたところ、翌日、穴の周りに削りかすが散乱しており、どうやらかじったようです。

 日に日に入口は大きくなり、設置5日目の朝、ついにアズミが巣箱の中に入っていました。

 アズミを一度巣から出し、以前の巣箱が設置されていた樹上に置くと、アズミはすぐに新しい巣箱に戻り、私の目の前で、入口の大きさを微調整するようにかじり始めました。

 野生のムササビも、樹洞、ほかの動物が利用していた巣穴、鳥がくちばしで開けた木の穴などを加工して巣を作ります。アズミのように、自分でかじって調整しながら、お気に入りの巣にしていくのでしょう。奥の部屋でごらんいただけないので、そのようすを動画でご紹介します。

【巣箱をかじるムササビの動画】
Windows Media形式 QuickTime形式

 オス2頭は、展示内の樹洞で休んでいる姿を間近で見ることができますので、ぜひ、ムササビたちに会いに来てください。

写真上:以前の入口が大きい巣箱、すぐ顔が出る
写真下:新しい巣箱で入口の大きさを確認中のアズミ

〔多摩動物公園南園飼育展示係 宇野なつみ〕

(2013年02月15日)



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