ニュース
アフリカゾウ「砥夢」の近況
 └─2013/01/18

 2012年11月27日、愛媛県立とべ動物園から3歳9か月のオスのアフリカゾウ「砥夢」(トム)が多摩動物公園に来園しました。

 来園当日はなかなか落ち着かず、夜も部屋の中を動き回っていましたが、今では横になって眠るようになり、多摩の環境にも少しずつ慣れてきたようです。 

 現在砥夢は、日中はメスの「チーキ」(37歳)と同じ展示場でくらしています。子ゾウと一緒にくらした経験のあるチーキを砥夢の乳母役にと考え、来園6日目の12月3日から同居をスタートしました。

 同居初日、寝室の扉を開けると砥夢は迷うことなくチーキの待つ展示場へ出て行き、2頭並んで牧草を食べ始めました。その後も砥夢はチーキの後ろをついて回り、チーキは砥夢が離れるとそっと寄り添って一緒に移動するといった気遣いを見せ、砥夢を仲間として迎え入れてくれたようです。

 今では、毎朝先に展示場に出たチーキは必ず出入口まで砥夢を迎えに行きます。砥夢もチーキと一緒に過ごすようになってから夜間の睡眠時間が一気に増え、展示場でも土山に寝ころんで土遊びをするなど、持ち前のやんちゃぶりを取り戻してきており、砥夢にとってチーキの存在が精神的な支えになったのではないかと思います。

 隣の展示場でくらすメスの「アコ」(48歳)も柵越しに鼻を伸ばして砥夢とのコミュニケーションをとっており、仲間として迎え入れたようです。

 砥夢の両牙にテープが巻いてあることにお気づきでしょうか。これは砥夢がとべ動物園にいたころ、壁や柵に牙をこすりつける癖があり、そのせいで牙がすり減り縦にヒビが入ったため、これ以上深くならないよう保護用としてテーピングしています。テーピングが擦り切れてくると牙の表面が荒れているように見えますが、牙自体が傷ついているわけではありませんのでご安心ください。

 多摩動物公園のオスゾウとして歩みだした砥夢の新しい生活を、どうぞこれからも温かく見守ってください。

写真上:土山で遊ぶ砥夢
写真下:テーピングした牙

〔多摩動物公園北園飼育展示係 尹永洙〕

(2013年01月18日)



ページトップへ