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ハクビシンの綱渡り
 └─2012/11/23

 多摩動物公園には6頭のハクビシンがいて、1頭は裏側で飼育しているので、現在は5頭が運動場でごらんになれます。

 ハクビシン舎は、アジア園のアジアゾウ舎とアムールトラ舎の間にあり、一見何もいないように見えるので、「準備中かな?」と通り過ぎてしまう方もいらっしゃいますが、ぜひ足を止めて運動場の中をじっくり見てください。午前中は真ん中あたりにある箱の中で固まって眠っていますが、午後になると運動場を歩き回ります。ハクビシンは夜行性なので、明るいうちは眠っているはずなのですが、当園では午後3時に部屋で餌を与えるため、午後1時ころから少しずつ動き始めます。

 毎月1〜2回おこなっているハクビシンの「キーパーズトーク」では、綱渡りを実施しています。運動場の木と木の間に太さ1センチほどのロープを張り、長さ50センチくらいの結束バンドを1本ずつ5か所にぶら下げてあります。そしてその結束バンドの先にハクビシンの大好きなミカン、リンゴ、バナナなどの果物を刺します。ハクビシンはしっかりロープを掴んで渡り、果物があるところまで行くと、後ろ足でぶら下がり、前足を使って果物を掴んで食べます。

 ハクビシンの手のひらや足の裏には、ヒトの手相のようなしわがあります。このしわで細いロープでもしっかり掴み、渡ったりぶら下がったりします。野生のハクビシンでは、電線を渡ることもあるそうです。

 住宅の屋根裏に入り込んだり、果樹園の果物を食べてしまったり、なにかと悪いイメージの多い動物ですが、じつはよく見るととてもかわいい顔をしています。

 オランウータンのスカイウォークはもうすぐお休みになりますが、ハクビシンのスカイウォークは冬も実施しますので、ぜひ見に来てください。

写真上:ロープを渡るハクビシン
写真下:ぶら下がって果物を食べる

〔多摩動物公園南園飼育展示係 岡田彩〕

(2012年11月23日)



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