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アフリカゾウの「アコ」、第1放飼場へ
 └─2012/05/11

 多摩動物公園では2頭のメスのアフリカゾウを飼育しています。これまで第2放飼場(ゾウ舎に向かって右側の放飼場)に「チーキ」(36歳)が出ており、もう1頭の「アコ」(47歳)は、寝部屋と放飼場を結ぶ通路に出ていたため、観覧通路からは見えにくい状態でした。

 じつはアコは、数年前から放飼場に出るのを拒むようになってしまったのです。アコが放飼場に出なくなった原因は、6年前のオスゾウ「タマオ」の死でした。タマオが生きていたころはタマオを中心に群れがまとまっていました。しかし、2006年8月にタマオが死亡してからは、メスがそれぞれ精神的に不安定になり、チーキとアコの仲も悪くなってしまって、2頭を一緒の放飼場に出せなくなりました。

 アコは出舎を拒否するようになり、なんとか通路までは出るのですが、どうしても放飼場には出てくれません。その結果、長い間通路で飼育することになってしまいました。

 アコにとって通路で過ごすことは精神的には楽だったかもしれませんが、夏暑く、冬は寒いといった状況で環境も悪く、十分歩くこともできないような状態は、健康面では決して良いことではありません。そのため試行錯誤を重ね、放飼場への誘導も何度も試み、ついに2012年4月30日、約3年8か月ぶりにアコは放飼場に出たのです。

 現在は、第1放飼場(ゾウ舎に向かって左側の放飼場)に出ています。まだ久しぶりの放飼場に十分に慣れておらず、出ていない日や早く寝部屋に帰ってしまう日もあると思いますが、アコも早く慣れるように頑張っていますので温かく見守ってあげてください。

写真:放飼場の「アコ」

〔多摩動物公園北園飼育展示係 藤本卓也〕

(2012年05月11日)



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