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サバンナの元気な子どもたち
 └─2011/09/09

 2011年に入ってから、多摩動物公園アフリカ園のサバンナでは、動物たちの出産が続きました。 4月6日にシロオリックスのブランチがブルーム(メス)を出産(4産目)、7月6日にはグレビーシマウマのライチがラガー(オス)を出産(2産目)、8月6日にはアミメキリンのユーカリがユリア(メス)を出産(初産)しました。

「シロオリックス誕生」のニュース(2011/04/28)

「グレビーシマウマ誕生」のニュース(2011/07/20)

「アミメキリン誕生」のニュース(2011/08/16)

 グレビーシマウマ「ライチ」の出産予定日は7月中旬から下旬でした。出産前日は普通に与えた餌もよく食べ、身重のため重そうに歩くほかは動きもよく、出産の兆候は見られませんでした。ところが当日ライチのようすを見に産室に行くと、予想より早い出産だったので「えっ?」「何でシマウマが2頭?」と自分の目を疑いました。子どもの体はすでに乾いており、四肢でしっかりと立ち、産室内を歩き回っていました。
 翌日には、母親と一緒にシマウマ小放飼場に出し、その後の2か月間は、日中ダチョウ舎小放飼場で親子で過ごしています。まだオッパイは飲んでいますが、今では母親と同じ青草や乾草も食べ始めています。体つきもしっかりしてきて小放飼場内を走り回る元気一杯な子「ラガー」ですが、大放飼場デビューはまだ少し先になりそうです。

 キリンのユーカリがユリア(メス)を出産したのは、サマーナイトの初日でした。夕方、ユーカリのようすがちょっとおかしなことに気付き、ほかのキリンたちと分けることにしました。そして、小パドックに移し終えてすぐに出産が始まったのです。出産中、雨は降らなかったものの絶えず雷鳴が轟き稲光が光り続けていました。そして、辺りもすっかり暗くなった午後8時15分に無事出産しました。
 あとは子どもが起立してオッパイを飲むのを待つばかりでした。ところが、生まれた場所がコンクリートの上でしかも羊水で濡れていたため、子どもはすべってなかなか立ち上がることができません。横で母親のユーカリが体を舐めたり、前肢で軽く蹴ってみたりして立たせようとしますがうまくいきません。母親のようすをうかがいながら飼育係が子どもに近づき、抱き起こして両側から支えて立たせようとしましたが、すぐに滑って転倒してしまいます。このままでは四肢の関節を痛めてしまうので、4人で子どもを抱き上げ、藁を敷いてある産室に運び込みどうにか自力で立たせることができました。

 しかし、このことが原因なのか母親のユーカリが子どもを受け入れなくなってしまい、キリンでは当園初の完全人工飼育をおこなうことになりました。

 ユリアは、現在1日4回、合計7,600ccの哺乳で順調に育っています。日中は小パドック内に1頭でいて、柵越しにほかのキリンたちと触れ合っていますが、いずれは群れの中に入れる予定です。

写真上:グレビーシマウマ「ライチ」と「ラガー」親子
写真下:アミメキリンの子「ユリア」

〔多摩動物公園北園飼育展示係 横田利明〕

(2011年09月09日)



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