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ユキヒョウの三つ子たち
 └─2011/06/10

 2011年5月25日、多摩動物公園でユキヒョウの赤ちゃんが誕生しました。母親はマユ(12歳)、父親はシンギズ(推定21歳)です。マユにとっては、4回目の出産です。

 ユキヒョウは、産箱と呼ばれる箱の中で出産するため、外からは中のようすがまったく見えません。そこで産箱には監視カメラを設置し、モニターで観察しています。マユが産箱にこもり始めたので、「産まれているかな」と期待しながらユキヒョウ舎へ行き、前日と変わらない映像にがっかりすること数回。若干期待も薄れてきた5月25日の朝、マユの横に小さな黒いかたまりが2つ、モニターに映っているのを確認しました。

 「生まれてる、しかも2頭!」。ユキヒョウは1回に2~3頭の子を出産するといわれていますが、マユが出産したのは、2005年が2頭、2007年が1頭、2008年が1頭だったので、あまりたくさん産む個体ではないのかなと思っていました。しかし、今回は2頭。無事生まれたことにほっとし、親子とも落ち着いているのでそっとしておこうと思い、もう一度モニターを見ると、マユの後ろ足の間から、モゾモゾともう1頭出てきました。なんと三つ子だったのです。

 今まで1~2頭かしか育てたことのないマユが3頭も大丈夫かと、ちょっと不安になりましたが、そこはベテランのマユ。ちゃんと3頭にお乳を飲ませ、体も舐めてやり、きちんとケアをしています。そのおかげで、モニター越しに見る子どもたちは、順調に大きくなっています。

 モニターで個体識別するため、背中の模様から仮に「もにょこ」「Cちゃん」「長い子」と呼び名をつけました(右の写真参照)。

 出産後、警戒するようすが見られたマユですが、6月6日にはふだんの調子に戻ったので非公開の運動場へ出し、その間に子の性別判定をしました。3頭とも目が開いていて、つかむと小さな体のどこからこんな大きな声が出るんだろうというくらいの声で「グェ~グェ~」と鳴きます。性別判定の結果、「もにょこ」と「Cちゃん」はメス、「長い子」はオスでした。

 三つ子たちは、6月10日からユキヒョウ舎にあるモニター画面で公開中。リアルタイムの映像を流しますが、子の体調によっては録画映像になることがあります。ご了承ください。運動場デビューは約2か月後の予定です。

 また、2011年6月10日(金)から6月17日(金)の1週間、子どもたちの名前募集をおこなっています。今年は「日本百名山」より名付けたいと思いますので、みなさん、ぜひ三つ子たちに良い名前をつけてください。

名前募集については、こちらの記事もごらんください。

写真上:ユキヒョウの三つ子たち
写真中上:「もにょこ」
写真中下:「Cちゃん」
写真下:「長い子」

〔多摩動物公園南園飼育展示係 高村里美〕

(2011年06月10日)



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