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子ライオンの群れ入りに向けて
 └─2011/04/22

 多摩動物公園には全部で21頭のライオンがいますが、飼育係がまず初めに覚えなければならないことのひとつに個体識別があります。個体識別とは、動物それぞれの名前や特徴を見分けることです。
 私は2010年1年間は動物病院係に勤務し、ライオン舎にはしばしば治療のために来ていたのですが、飼育担当になってみると放飼場、部屋の中、収容時などによってライオンがさまざまな表情や動きを見せるため、まだまだ見分けることができず悪戦苦闘の日々を過ごしています。

 さてそんなライオン舎では、2010年12月生まれの3頭の子ライオン「トウヤ」(オス)「トモ」(メス)「トワ」(メス)の放飼場デビューに向けて準備の真っ最中です。すでに放飼場に出ている「ケイコ」の子どもたちに比べればまだ小さいのですが、最近は餌の馬肉や鶏頭も短時間で食べられるようになり、日増しに成長しているのが分かります。

 子どもたちは今、母親の「ナナ」と一緒に4頭で過ごしています。隣室にほかのライオンを入れて、相性などお互いの反応を観察するために柵越しのお見合いをさせています。大人のライオンは、日中ケイコの子たちと過ごしているせいか、ナナの子どもも素直に受け入れているようです。

 今後お見合いを進めながら、休園日を利用して大放飼場に少しずつ慣らしていきます。順調にいけば2011年5月中には元気に遊びまわる3頭の子ライオンの姿を見ていただけると思います。

「ライオン園にケイコ親子がデビュー」

写真上:生後20日ころ、授乳中のようす
写真下:大放飼場を見つめる親子

〔多摩動物公園北園飼育展示係 佐々木悠太〕

(2011年04月22日)



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