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イノシシ運動場を改良
 └─2011/02/25

 多摩動物公園のニホンイノシシ運動場に新しい部屋ができました。部屋といっても、実際には運動場の一部を柵で仕切っただけのスペースで、通称「クロマメの部屋」。その名の通り「クロマメ」が使っています。

 現在多摩動物公園では、2頭のメスのイノシシを飼育しています。8歳のキントンと4歳のクロマメです。

 クロマメは2006年冬に多摩動物公園にやってきましたが、来園当時はまだ体も小さくて、キントンのあとをついてまわっていました。しかし、成長とともに1頭で行動することが目立つようになりました。

・ニュース「イノシシ、元気に成長中」(2009年01月02日)

 キントンは、クロマメが子どものときは受け入れたようでしたが、大きくなるとともに、争いが目立つようになり、2010年2月には2頭ともけがをするような激しいけんかが起きてしまいました。それまではキントンの方が優位でしたが、この時に2頭の立場は逆転したようです。クロマメが、キントンをしつこく追い回すようになり、とうとう同居がむずかしくなってしまいました。

 イノシシの部屋はひとつしかないので、原則としてキントンは室内、クロマメは屋外で飼育することにしました。しかし、このままでは運動場の掃除や管理が十分にできず、室内のキントンも運動不足になってしまうため、運動場の一部を仕切ってクロマメのための部屋をつくったというわけです。

 これで、キントンは約8か月ぶりに外でゆっくりと過ごすことができました。初めは、柵越しに威嚇しあっていた2頭ですが、最近ではお互いをあまり気にしなくなったようです。

 現在、日中はキントンが運動場、クロマメが新設の部屋で過ごしているところを同時にごらんになれます。その後、キントンは通常午後2時から3時ころ室内に帰り、代わってクロマメが運動場に出ています。

 クロマメの部屋には屋根がないため、雨天時にはクロマメを運動場に出し、キントンは室内に入っていてごらんになれないことがありますので、ご了承ください。
 お天気のいい日には、キントンもクロマメも気持ちよさそうにお昼寝をしています。ぜひのんびりと過ごす2頭に会いに来てください。

写真上:運動場でくつろぐキントン
写真中:クロマメ
写真下:イノシシ舎(左隅がクロマメの部屋)

・東京ズーネットBBの動画
 「ニホンイノシシ」(2010年12月撮影)

〔多摩動物公園南園飼育展示係 櫻井佑子〕

(2011年02月25日)



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