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ライオンの五つ子誕生
 └─2002/06/14

 4月26日、ライオンのサクラ(9歳)が五つ子を産みました。ライオンがいちどに産む子どもの数は平均3頭で、五つ子誕生は1998年3月以来のことです(この五つ子を産んだのもサクラです)。5頭の内訳はオス3頭とメス2頭。これでサクラの出産は5回目です。

 ベテランのサクラは、出産時もその後も落ち着きはらい、貫禄の子育てをしています。

 通常、はじめての体重測定は生後10日ごろに実施しているのですが、今回は5日目におこないました。昨年、ナラの出産のとき、おそらく母乳がでなかったことが原因で6日目に子どもが死亡してしまいました。今回はそれを踏まえて、すこし早めに測定したのです。

 子どもの体重を測っているあいだ、サクラには隣室で食事をして待っていてもらったのですが、おちつきを失うこともなく、食後にはグルーミングをするなど、堂々としたものでした。

 5頭のうち、オスには「カズ」「トシ」「シゲ」、メスに「ケイコ」「ミサ」と名づけました(職員の名前です)。トシは「補助哺乳」中。6月12日の体重測定結果はつぎのとおりです。

  カズ 6.00kg、トシ 4.65kg、シゲ 6.90kg、ケイコ 6.80kg、ミサ 6.00kg

 トシは5月29日から体重が4.04kgからまったく増えず、脱水症状もすこし見られたため、獣医と相談のうえ、補助的に哺乳を行なうことにしました。母親からの授乳がまったくないということではなく、1日1回、サクラに別室に移動してもらって哺乳しています。ミルクは150ミリリットルつくり、飲みたいだけ飲ませています。

 補助哺乳開始後1週間たって、トシの体重は他の4頭とほぼ変わりない増え方を見せ、順調に育っています。作戦は成功したのではないかと感じています。

 写真下は、裏の放飼場でミルクをやっているところです。この日は、先にサクラに中に入ってもらって哺乳しました。哺乳前にはほぼ毎回体重測定をおこない、結果に一喜一憂しています。

 子どもたちは、ときどき裏の放飼場で日光浴をさせています。3月のお盆までには群れ入りをさせる予定です。

〔多摩動物公園飼育課 浅見準一〕

(2002年06月14日)




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