今夏は記録的な酷暑が続いています。夜になっても気温が下がらない日が多く、多摩動物公園のアフリカゾウたちも一日の疲れがなかなか癒せずにいるようです。朝放飼場に出たゾウたちは、強い日差しの中で食事をするよりも先に、水浴びを好む日も少なくありません。
日ごろは「冷やしオレンジ」をおやつとしていますが、夏は恒例企画として7、8月の土日祝日(今年は7月19日から)の午後、「冷やしスイカ」を与えています。第1、第2放飼場のあいだの観覧通路に「アフリカゾウの冷やしスイカ、はじめました」のすだれ製看板をつるしてお知らせしていますが、気づいていただけたでしょうか?
1頭あたり3~4玉のスイカを用意し、飼育係が1玉ずつ転がしてゾウに渡すのですが、来園のみなさんがごらんなれる場所までスイカを割らずに転がすのは意外に簡単ではありません。
放飼場には火山礫が敷かれているので、転がす勢いがよすぎるとスイカがはじけてしまいます。また、待ちかねているゾウたちは転がるスイカをすぐに長い鼻をのばして止めてしまいます。
「今日は満足いく場所まで転がせた」「チーキの名キーパーぶりにブロックされた」「大胆に転がしたら割れてしまった」などなど、飼育係は毎回反省を重ねながら転がすコツをつかんでいます。
ゾウたちが丸ごとのスイカをどのようにして食べるのか、ぜひ観察しに来てください。なお、スイカの購入には、「動物園サポーター制度」の寄付資金が活用されています。
〔多摩動物公園北園飼育展示係 中尾理幸〕
(2010年08月20日)
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