多摩動物公園で、人工哺育で育ったオスのチンパンジー「ジン」が、飼育係の地道な努力により、養母とともに群れ入りを果たしました! 人工哺育のチンパンジーが、幼いうちに養母とともに大きな群れに入ることができたのは、国内で初めてのことです。
なお、養母にはあずけず、年齢が高くなってから小さな群れに入ったという例は、今までにも報告があります。
これまでの経緯
ジンは、2008年7月2日多摩動物公園で誕生。母親のピーチがうまく育てられなかったため、人工哺育をすることになりました。
しかし、人間がチンパンジーをおとなになるまで育てると、自分がチンパンジーであることをわからずに育っていく可能性を高めてしまいます。そこで、ジンの将来を考え、群れに戻す試みを進めることにしました。
飼育担当者以外の人間との接触を避け、群れのメンバーとのお見合いをおこなったところ、サザエ(推定28歳)との相性がよいことがわかり、サザエを養母候補に決めました。昨年(2009年)12月からサザエと娘のミル(7歳)との同居を始めると、日に日に3頭の関係が深まり、本当の親子のように行動するようになりました。
今年(2010年)4月には、群れのリーダーであるケンタとの同居を始め、その後徐々に同居するなかまを増やしていきました。そして、6月30日には群れのすべてのなかまたちと大放飼場に展示できるようになりました!
ジンは連日大放飼場に出ることに慣れていないので、展示しない場合や、体調や天候によってはごらんになれない場合もあります。
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チンパンジー「ジン」の成長
(2010年08月12日)