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サーバルジャンプ、「コウ」の場合
 └─2010/02/19

 多摩動物公園アフリカ園のサーバル舎では、毎週土曜日の午後2時から「サーバルジャンプ」をおこなっています。サーバルジャンプとは、野生のサーバルが飛び立つ鳥を捕まえるときのジャンプをごらんいただくための催しです。餌となる馬肉を棒につけ、これを展示舎内に吊るし、サーバルの行動をお見せするのですが、2メートル以上もジャンプするサーバルの姿は迫力があり、見ごたえ充分です。

 ところが最近、オスの「コウ」が変わったジャンプを見せるようになりました。昨年(2009年)10月、放飼場内の木組みの台(「アスレチック」と呼んでいます)を新調したところ、餌を吊るす棒との距離が短くなったため、木組みの台の上から餌に飛びつくようになったのです。地面からジャンプするより、台の上から横方向に跳ぶ方が楽だと考えたようです。

 とはいえ、サーバルは垂直にジャンプすることはあっても、横に跳ぶことはあまりありません。実際、コウも横に跳ぶのは苦手なようです。

 餌までの直線距離が短いとはいえ、台にのぼると、コウはなかなか跳びつく勇気が出ないようです。そのため、台上から跳ぼうか、ふだんどおり地面からジャンプしようかと迷う姿が見られます。前足を動かしてバーをつかめないか試してみたり、餌に近い場所を探したりする姿に、見ているお客さんからも笑いがこぼれます。

 時間をかけて迷った末、結局地面からジャンプしたり、ジャンプそのものをあきらめてしまうこともありますが、そこは大目に見てください。

 このように、最近のサーバルジャンプでは、迷いながら工夫を重ねるコウのすがたを見ることができます。土曜日の午後2時、多摩動物公園でぜひサーバルジャンプをごらんください。

写真上から:
・餌に向かってジャンプするサーバル
・台の上から餌を見つめるコウ
・台上から手を伸ばすコウ

〔多摩動物公園北園飼育展示係 清水泰輔〕

(2010年02月19日)



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