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オランウータン、ハーモニカを吹く♪──5/28
 上野動物園ではボルネオオランウータンの「モリー」が絵を描いていますが、多摩動物公園のオランウータンたちはハーモニカを演奏中!

 オランウータンたちは、冬になると室内の展示場にいることが多くなります。退屈しないように、これまで麻袋やおもちゃなどを入れていました。 2004年3月19日、担当者がハーモニカを聴かせていたときのこと。メスの「ジプシー」(メス、推定48歳)が「それ貸してー」というしぐさを見せたので、渡したところ、吹いたり吸ったりすると音が出ることを発見!
でも、ひとしきり吹いたあと、ハーモニカをかじってバラバラに……。
 その後もときどき渡していますが、4本目以降はこわさなくなりました。いま使っている楽器はコレ

 ジプシーはだんだん「上達」し、左右に動かして、音の高さも変えるようになりました。ジプシーの娘のチャッピー(31歳)と、チャッピーの息子のポピー(2004年6月8日で満4歳)もハーモニカを手にしますが、音を出すのはポピーの方。
 オスのボルネオ(18歳)も上手に吹いています。ボルネオが吹き始めたら、ジプシーがハーモニカをもってきて、2頭で「合奏」を始めたこともありました! ボルネオはオスなので肺活量があるのでしょうか、音も力強く、吹くのと吸うのをすばやく繰りかえす奏法も得意です。
 ちょっとフシギなのは、吹いたあと、ハーモニカを鼻にのせること。においをかいでいるんでしょうか?
 ジプシーは、なんとリコーダーも演奏します(指はつかいません……)。

 まずは、音を聞いていただくのが早道かと。ボルネオのハーモニカ演奏、ハーモニカに興味をもつポピー、リコーダーを吹くジプシーのビデオは「東京ズーネットBB」で公開中! トップページから「TokyoZooNetBB うごく!どうぶつ図鑑」→ページ右の「ハーモニカを吹くオランウータン」をごらんください。
 なお、「動物たちが吹きたいときに吹けばよい」という主旨なので、積極的にトレーニングする予定はありません。オランウータンたちが室内の展示場でヒマそうなときに楽器をわたしていますので、もし演奏を聴くことができた方はラッキー。

 過日、多摩動物公園のオランウータン舎の裏側で、ボルネオがハーモニカを吹くところを見せてもらいました。渡した直後は演奏を聴かせてくれないんですが、人間がすがたを消すと、元気のいい音が聞こえてきます。せっかく(?)だから、こちらもハーモニカを手にしていっしょに「演奏」してみました。担当者も合わせて、人間2頭とオランウータン1頭のジャムセッション?
 つづいて、担当者とともに飼育舎の屋根にのぼり、放飼場にいたジプシー、チャッピー、ポピーにハーモニカを投げると、吹かないのに手にとるチャッピー、少し音を出したポピー、この日はひかえめだったジプシーと、三者三様でした。

 担当者の黒鳥職員は尺八の名手で、かつてゴリラに演奏を聴かせたところ、「ブルブル」は興味深げに首をかたむけて聴きいっていたとか。今後、オランウータンとの合奏が進化するかも。
 太鼓なんかどうかなー、あるいは 100円均一で打ってるようなスライドホイッスルとか……無理? ちなみに、多摩動物公園のオランウータンに絵を描かせてみたことは、今のところないそうです。

 なお、従来のオランウータン舎は現在改築中。完成はしばらく先ですが、大規模な施設ができあがる予定です。

モリーさんのお絵かきビデオ「東京ズーネットBB」2003年3月公開

写真上:ハーモニカを吹くジプシー
写真中:ハーモニカをくわえるポピー
写真下:ボルネオと合奏中の黒鳥職員



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