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アフリカゾウ舎の今
 └─2009/05/01

 お知らせしたとおり、アフリカゾウのメス「アイ」は2009年3月4日、繁殖のために群馬サファリパークに嫁いでいきました。繁殖を目的とした貸与です。

・ニュース「アフリカゾウ『アイ』の嫁入り修行
・ニュース「アフリカゾウ『アイ』、3月4日に旅立ちます

 多摩を出発して約3時間で到着。あちらのタンゴ(オス、23歳)との関係もよさそうです。子宝に恵まれるよう祈りつつ、群馬をあとにしました。

 アイ出発後の多摩動物公園では、推定44歳のアコとマコ、推定33歳のチーキ、計3頭のメスがくらしています。アイが搬出された日、3頭は不思議なほど静かでした。いつもなら聞きなれない音がすると騒ぐのですが、アイの輸送檻を吊りあげる巨大クレーン車の音にもほとんど騒ぎませんでした。アイが旅立つのを知っていたのか……、聞き耳を立てていたのか……。理由はわかりませんが、3頭が静かでいてくれたことも手伝って、搬出はスムーズに進みました。

 アイから姉貴分のように頼られていたチーキは、当初、心なしかしょんぼりしているようでした。夜は横になって眠っていたチーキでしたが、アイ搬出の日を境に横になって寝なくなったのです。アイの不在に不安と寂しさを感じていたのかもしれません。マコも、アイのいない放飼場で落ち着かないようすを見せていました。アコだけは、ほとんど変化が見られませんでしたが、これは、以前からアイとの関係が悪く、アイに関心がなかったせいかもしれません。

 アイが出発して約2か月。3頭はようやく落ち着きを取りもどしつつあります。チーキは春の日差しに目を細め、のんびりしたようすを見せています。夜も横になって眠るようになりました。マコは、豪快に水浴びをしたり、放飼場にある丸太を立てたり、楽しそうに遊んでいます。

 アコは昨年(2008年)からしばらく室内で療養を続けていましたが、現在は、部屋から通路に出し、放飼場に出る訓練をしています。お客さんから見えるところにいますが、神経質なところもあるので、どうかお静かにごらんください。

 チャキチャキとよく動き回っていたアイが旅立ち、少し静かになったゾウ舎ですが、のんびりしたアコ、マコ、チーキにぜひ会いに来てください。

写真上 :アイ(右)とチーキはいいコンビでした.
写真中上:アイ(左)とチーキの泥遊び
写真中下:丸太遊びをするマコ
写真下 :アコは現在通路に出ています

〔多摩動物公園北園飼育展示係 山口翔平〕

(2009年05月01日)



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