野生のサーバルは、ノウサギ、ネズミ、鳥など、すばやく動く獲物を捕まえて食べています。そのため、サーバルの体にはたくさんの秘密があります。
小さな物音でも聞こえる大きな耳。すばやく動き、鋭い爪が出し入れできる長い手足。薄暗がりでも獲物を見つられる眼。体の模様は迷彩効果で目立たず、獲物を油断させます。
そんな武器を使って、サーバルはさまざまな狩りをします。飛び立つ鳥を驚異的なジャンプで捕まえたり、地中に潜む獲物を地上から見つけて捕まえたり、物陰を動き回る小動物を40センチも離れたところからもすばやく爪でひっかけて捕まえたり、その身体能力には驚くばかりです。
そんなサーバルの狩りを見ていただくために、多摩動物公園では毎週土曜日の2時から「サーバルジャンプ」という催しをおこなっています(雨天中止。繁殖のためのペアリングなどで中止することもあります)。
オスの「ポール」が見せてくれるハイジャンプは、最高記録が 2.7メートル!また、運動場のワラや乾草を獲物に見立て、手でカサカサと動かして遊んだり、体を「くの字」に曲げたままジャンプし、狙いすました着地で地中の動物を狩るしぐさをしたり、夢中になって遊ぶところが見られます。
のんびり昼寝をするのも本来のサーバルの行動ですが、サーバルに備わったすばらしい能力が最大限に発揮される「狩り」という行動を、ぜひごらんになってください。
〔多摩動物公園飼育展示係 松井由希子〕
(2009年03月14日)
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