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アメケンの深海調査航海リポート、その壱
 └─2008/06/27

 アメケンこと葛西臨海水族園飼育展示係の雨宮です。私は今、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の調査船「なつしま」に乗って沖縄の沖合にいます。JAMSTECって何?とお思いの方も、「しんかい6500」と聞けばピンとくるのではないでしょうか? その「しんかい6500」などの調査船で海洋調査を行っている組織がJAMSTECです。

 今回は、「ハイパードルフィン」による沖縄周辺での深海調査に同行しています。これから何回かにわたり、現地から航海レポートをお届けします。

 まず、ハイパードルフィンについて紹介しましょう(写真上)。ハイパードルフィンはROV(Remotely Operated Vehicle、直訳「遠隔操作される乗り物」)と呼ばれる無人探査機です。実際に人が乗って深海まで行くのではなく、母船なつしまのコントロールルームで操縦します。そこには大小さまざまなモニターが並んでいて、ハイパードルフィンに取り付けられたカメラからのハイビジョン映像やデジタル表示のメーター類など、操縦に必要な映像が写し出されます。そこはまるでSF映画に出てくる宇宙船の操縦室といった感じです(写真下)。

 コントロールルームにはパイロットと呼ばれる操縦者が3人いて、モニターを見ながらジョイスティックのようなもので操縦をしているので、一見テレビゲームをやっているかのようです。しかし、そのパイロットの操縦技術はまさに職人技! 目標地点にピタリと止め、マニュピレーターと呼ばれるアームで物をつかんで動かしたり、ときには生き物の採集までしたり、まるで自分の体の一部を動かしているかのようにスムーズです。

 さて、まもなくハイパードルフィンが深海2000メートルへ潜行しようとしています。そこはどんな世界なのかワクワクしますね! そのようすは、次回の航海レポートでお伝えします。

写真上:ハイパードルフィン
写真下:コントロールルーム

※写真提供:独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)

〔葛西臨海水族園飼育展示係 雨宮健太郎〕

独立行政法人海洋研究開発機構
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(2008年06月27日)



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