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新たな視点で見てみると(18)
 ダーウィンに来た!(特別編パート2)
 └─2007/11/09

 先週に引き続き、オーストラリアはダーウィンからお届けする「新たな視点で見てみると」の特別編。今回はナーサリーフィッシュを採集している、アデレード川の支流マラカイクリークの水中映像をお届けします。

 先週お伝えしたとおり、この川にはイリエワニが生息しているため、川に潜ることは危険すぎます。採集ポイントのすぐそばでは、「ジャンピング・クロコダイル」という野生イリエワニの餌づけショーが行われているのです。そこで、水陸両用小型カメラを長い棒の先に固定し、水中を撮影してみました。

 流れる水は大変にごっており、5~6センチ先も見えない状態です。なにも映らないかもと、なかばあきらめての撮影でしたが、よく見ると一瞬だけボラのなかまかと思われる魚が数匹映っていました。(再生開始後35~40秒)。

 マラカイクリークの水中映像はたぶん本邦初公開! おそらく世界でも初めてのものでしょう。

【動画:マラカイクリーク水中映像】

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 ダーウィンでの採集基地としてお世話になっている養魚場は町から遠く、ユーカリ林の中の未舗装道を車で20分ほど走ってやっと到着です。カンガルーやエリマキトカゲが道を横切り、木の上にはキバタンやワライカワセミのすがたが見えます。そして、目の前の広大な河口干潟にはネズミイルカが泳いでいる、というじつに自然豊かなところです。

 しかし、よいことばかりではありません。30℃を軽く超える気温と、赤道に近い強烈な日差しが肌を焼きます。そして、サンドフライと呼ばれる、刺されるととてもかゆい小さな蚊が大量にわいて、作業を困難なものにするのです。

写真上:ナーサリーフィッシュの採集地マラカイクリーク
写真中:ナーサリーフィッシュのオス(上)とメス
写真下:体長約60cmもある魚をくわえているイリエワニ

〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

(2007年11月9日)



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