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観察はお早めに! 口ひげの生えたエトピリカ
  ウミガラスとエトピリカ、餌の運び方の違い
 └─2007/09/07

 今シーズン、葛西臨海水族園ではウミガラスとエトピリカの繁殖が順調です。ウミガラスは4羽のひなが巣立ち、エトピリカの巣穴には現在2羽のひながいます(巣穴の中のようすは暗視カメラで撮影し、モニター画面で公開しています。巣内のようすを動画でおしらせしたニュースはこちらをごらんください。)

 11時45分と16時に行なう「海鳥の食事の時間」には、親たちが水中を飛ぶように泳ぎ回り、プールに投げ込まれたキビナゴを次々とキャッチしてひなに運ぶようすが観察できます。

 このとき、ウミガラスは一度に1匹のキビナゴしか運びません。くちばしにキビナゴを頭から縦にはさんで運び、口移しでひなに与えます。ひながキビナゴを受け取ると、親はふたたびキビナゴをとりにいき、ひなが満足するまで何度も往復するのです。

 しかし、エトピリカは違います。エトピリカはキビナゴを一度に4~5匹も運ぶことがあります。大きいくちばしでキビナゴを横にしてくわえるため、たくさん運ぶことができるのです。くちばしいっぱいにキビナゴをぶらさげたエトピリカは、まるで「口ひげ」が生えているようです。

 ぶら下がっているキビナゴは、他の個体に横取りされてしまうかもしれません。「口ひげ(!)エトピリカ」はそそくさと巣穴に戻ってしまいますので、観察にはちょっと注意が必要です。

 子育てを巣穴の中で行うエトピリカにとって、餌運びのために何度も巣穴を往復するよりも、一度にまとめて運ぶ方がきっと効率がよいのでしょう。

 今回はウミガラスとエトピリカが餌を運ぶようすを動画でご紹介します。運び方の違いを比較してみてください(約70秒)。

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 口ひげエトピリカを観察できるのは、ひなが巣立つ今月(2007年9月)いっぱいの期間限定です。観察はお早めに!

〔葛西臨海水族園飼育展示係 山口香子〕

(2007年9月7日)



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