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シュレーゲルアオガエル産卵!
 └─2007/04/20

 桜の花が散り、葉桜の季節を迎えました。春の水辺の自然では、多くの野草が花の季節を迎えています。樹木が生い茂る前のこの季節は、地表面まで暖かい日差しが差し込みます。そこで、多くの山野草がこの季節に花をつけるのです。これから徐々に暖かくなるとともに、カエルの活動も活発になります。

 葛西臨海水族園では、2007年1月に「水辺の自然」エリアでニホンアカガエルが産卵しました。そして、2月にアズマヒキガエルが産卵し、4月には「池沼」の展示にある小さな水槽で、シュレーゲルアオガエルが卵を産みました。

 シュレーゲルアオガエルは、ふだんは草や樹木の上で生活をするカエルなのですが、産卵のときは田んぼなどの畦(あぜ)に穴を掘り、泡に包まれた卵を地中に産みつけます。ですから、シュレーゲルアオガエルの卵をみなさんが目にすることはめったにないでしょう。今回、展示水槽のちょうど真ん中の土に開いた穴から、泡に包まれた、白いマシュマロのような卵が顔をのぞかせています。

 泡に包まれた卵を産むカエルの代表はモリアオガエルです。モリアオガエルは池の上に張り出した枝や葉に卵を産みつけます。そして、孵化したオタマジャクシは泡の中からポタポタと池の中に落ちていくのです。シュレーゲルアオガエルは地中に産卵するわけですが、かえったオタマジャクシは、雨のときに雨水とともに田んぼに流れ出ていきます。

 シュレーゲルアオガエルの産卵を確認したのは2007年4月18日です。孵化するまで2週間程度はごらんいただけると思います。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 中村浩司〕

(2007年4月20日)



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