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ダンゴウオの横綱土俵入り?
 ランプサッカーの展示──2007/04/06

 葛西臨海水族園の「世界の海」エリア「北海」の水槽に「ランプサッカー」を展示しました。ランプサッカーはダンゴウオのなかまです。体長約60センチにもなる大型の魚で、「ヨコヅナダンゴウオ」と呼ばれることもあります。

 ランプサッカーは、北大西洋の東西、中~高緯度の冷たい海に分布し、浅いところから、水深 400メートルくらいまでの場所でくらしています。ダンゴのように丸くて、ずんぐりむっくりした体型に、ちょっと愛嬌のある顔つきは、じっと見ていても、あきのこない面白さがあります。

 体は青みがかった灰色をしていますが、繁殖期になると、オスはオレンジ色になります(こうした繁殖期特有の体色を「婚姻色」といいます)。

 水槽の中を泳いでいるランプサッカーのお腹の方をよく見ると、ちょっと変わったことに気がつくでしょう。何か丸い円盤のようなものが見えますが、じつこれはランプサッカーの腹びれなのです。吸盤のような作りになっていて、岩や水槽の壁面、アクリルガラスに張りつくことができます。

 なお、ランプサッカーは、小さな卵が集まった「卵塊」を岩陰などに産みつけます。これを塩漬けにして着色したものが、キャビアの代用品として輸出されています。日本でも、「ランプフィッシュの卵」として売られています。キャビアと思って食べてみたら、じつはこのランプサッカーの卵だった、ということがあるかもしれませんね。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 笹沼伸一〕

(2007年4月6日)



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