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マグロのお話
 └─ 2023/01/13
 みなさま、明けましておめでとうございます。今年も葛西臨海水族園をよろしくお願いいたします。

 小学校の文集に書いた将来の夢は「遠洋マグロ漁船の乗組員」。そんなマグロ大好きな私が毎年この時期に気になる話題といえば、「初セリ」での本マグロのお値段です。

 今年は青森県の大間で水揚げされた212kgの本マグロが3,604万円でしたね。一般的にお刺身一人前が80g程度なので、単純に換算すると一人前が13,600円になります。とは言っても、お店では通常の値段で提供するとのことですので「大赤字では?」と心配にもなりますね。ちなみに現在の水族園で飼育している最大のクロマグロは約100kgですので、ぜひ比べてみてください。

 私は水族園に就職し23年、最初は調査係でマグロをはじめ、展示する生き物たちを採集して運ぶ仕事。次に飼育展示係でマグロの飼育を担当しました。そして今は教育普及係で、マグロをはじめ、海のことやそこでくらす生き物たちのことをみなさんに楽しく伝える仕事をしながらマグロと向き合ってきました。

 そんな私のおすすめ観察ポイントはアクアシアターの両端で、クロマグロが方向転換をして自分の方を向いたときです。個体を真正面からお腹周りの太さに注目して観察すると、その「太さ」に驚き、クロマグロの大きさを感じることができます。


水槽前でクロマグロの「太さ」を観察してください

 さて、私たち日本人が大好きなマグロですが、昨今その資源量の減少が心配されている種類がいます。マグロのなかまは大洋を長距離に渡り回遊するので、マグロを利用する国や地域が協力してしっかりと管理していかなければなりません。

 現在は、日本も加盟する5つの国際機関があり、毎年加盟国が集まり漁獲量や獲り方、ルールなどを決める会合を開いています。これからもマグロを守りながらおいしく食べつづけるためには、しっかりとルールを守った方法で漁獲されたマグロを選んで食べるようにしていかなければなりませんね。

 葛西臨海水族園でも取組みのひとつとして、レストラン・シーウインドで提供しているマグロ丼など一部の商品はMSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)認証を受けた食材を使用しています。今年は当園でマグロの太さとおいしさを楽しんでください。

〔葛西臨海水族園教育普及係 雨宮健太郎〕

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(2023年01月13日)



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