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フェアリーペンギンの受精卵を長崎ペンギン水族館へ移動しました
 └─ 2022/06/01(07/22更新)
 フェアリーペンギンの受精卵を長崎ペンギン水族館(長崎県長崎市)へ移動しましたので、お知らせします。

 日本国内において、フェアリーペンギンは4園館で合計42羽(2021年12月末時点)が飼育されていますが、そのうち32羽(2022年5月20日時点)が葛西臨海水族園個体です。フェアリーペンギンを今後も健康に飼育していくためには、個体や卵の移動を積極的におこなうなど、飼育園館で連携して国内個体群の遺伝的多様性に配慮した繁殖を進めることが重要です。

 そこで、人工孵化や人工育雛の技術改善で良好な繁殖成績が得られている当園から、2022年4~5月に得られた6卵を2022年5月27日、長崎ペンギン水族館へ移動しました。この取組みは2021年から始め、2021年にはアドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)に3卵を輸送し、そのうち1卵が孵化、長崎ペンギン水族館には3卵を輸送し、すべて孵化しています。

長崎ペンギン水族館への搬入のようす
輸送した6卵

 2022年6月2日から6月7日にかけてすべて無事に孵化し、7月21日現在、順調に育っています。


孵化したひな
(撮影日:[左]2022年6月5日(5羽目孵化1日目) [右]2022年7月19日、写真提供:長崎ペンギン水族館)


受精卵移動をおこなった経緯
 個体の移動は、検疫や輸送、新しい環境への馴化など多くの負担がかかることになります。
 一方、卵で移動する場合は検疫や移動先の飼育環境への馴化が不要で、移動の負担が軽減されます。したがって、受精卵移動の技術が確立できれば、ペンギンにとってもよりよい移動方法になると考えています。

今後の取組み
 今年度得られたデータを詳細に解析し、よりよい受精卵移動の方法を検討していきます。最終的にはフェアリーペンギンの主要な生息地であるオーストラリアから受精卵での移動をすること、また、当園の人工育雛技術などの繁殖技術を飼育園館と共有することにより、国内個体群の遺伝的多様性の改善をめざしたいと考えています。

国内の飼育状況(2021年12月末時点)
 4園館 42羽(オス22、メス17、不明3)
 資料:2021年フェアリーペンギン国内血統登録台帳【(公社)日本動物園水族館協会】

(2022年06月01日)
(2022年07月22日:孵化について追記)



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