2021年は丑年!ということで、名前にウシのつく生き物、ウシバナトビエイをご紹介します。
葛西臨海水族園のシンボルであるガラスドームからエスカレーターを下りていくと、最初に出会う「大洋の航海者 サメ」水槽。ウシバナトビエイはサメではありませんが、サメと同じ板鰓類のなかまで、ここでアカシュモクザメなどのサメたちとともに展示されています。
ウシバナトビエイはインド洋や西部太平洋の暖かい海の砂地の海底に生息しています。トビエイのなかまでは大型になる種で、成長すると体の幅が1.5mになります。腹側から見た頭部が牛の鼻の形に似ていることからウシバナと和名がついたといわれています。そんな頭部で特に注目して見てもらいたいのが「頭ビレ」です。
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中層を泳ぐときの頭ビレ | 水底で使用中の頭ビレ |
頭ビレはふだん泳いでいるときには折りたたまれていて、頭の形に添ってすじがあるように見えます。ではいつ使うのかというと、海底に下り、砂の中にあるえさを探すときです。頭ビレを上下に動かしてバフバフと砂を巻き上げ、中に隠れているエビや貝などを見つけて食べるのです。えさとともに砂も口に入りますが、砂だけ器用に口や鰓から吐き出すことができます。
では、実際に水族園での給餌のようすを見てみましょう。
水族園ではアサリやエビなどのえさを水槽の上からまいて与えるので、砂の中に潜るえさを探すわけではないのですが、水槽の底に落ちたえさを頭ビレを使ってバフバフと巻き上げながら食べています。
今回は“頭ビレ”をメインにご紹介しましたが、まだまだウシバナトビエイにはたくさんの魅力があります! 実際に観察していただけることが一番ですが、現在臨時休園中なので、
水族園のツイッターなどで魅力をお伝えしています。ぜひ、ツイッターでもウシバナトビエイをご覧ください。
〔葛西臨海水族園飼育展示係 太田智優〕
(2021年01月22日)