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さようなら、タッチンフィーリン(2020年12月25日で終了しました)
 └─2020/12/25
 葛西臨海水族園の「タッチンフィーリン」は、スタッフの解説を聞きながらサメやエイを間近で観察し、触ることができるコーナーです。2009年に特設展示としてスタートしましたが、施設の更新にともない、本日2020年12月25日で終了いたします。

 当初は最終開園日である12月28日(月)がタッチンフィーリン最終日の予定でしたが、急遽12月26日から1月11日まで臨時休園することになったため、本日12月25日(金)で終了いたします。特設展示としてオープンして以来、たくさんの方々にご利用いただきました。ありがとうございました。


 今年は残念ながら新型コロナウイルス感染症対策のためほとんど実施することはできませんでしたが、この11年のあいだ、来園者の方からは生き物について色々な質問を受けました。その中でもよく聞かれた質問を2つご紹介し、サメやエイについてお話しします。

質問1 サメに咬まれたりしませんか?
 これは一番よくきかれた質問です。答えからお話しすると、タッチンフィーリンでは、危険がないようにスタッフが注意して見ていますし、来園者の方にも触るときの約束を守っていただいていますので、よほどのことがなければ咬まれることはありません。

 ところで、映画やテレビの影響で、サメというと「人を食べる」「危険」というイメージをおもちの方も多いと思います。しかし、人を襲うような危険があるサメは、世界に約500種もいるサメの中でほんの一部といわれています。とくにタッチンフィーリンにいるネコザメやイヌザメは、ふだんは岩やサンゴの陰に隠れてじっとしているおとなしいサメです。水槽の中でもあまりに動かないので驚かれることもあります。

 ただし、おとなしいといっても歯はありますから、まともに咬まれたら大変です。ネコザメは、サザエやウニも割れるような平らな奥歯をもっていて、イヌザメは小さな魚などを捕まえるのに便利な小さく尖った歯をもっています。

ネコザメの歯
イヌザメの歯

 サメの種類によって食べているものや歯の形が違うので、水族館でサメを見つけたら歯を観察してみてください。どんなものを食べているのか想像してみるのもおもしろいでしょう。

質問2 どうしてサメはざらざらでエイはぬるぬるしているの?
 これは、サメやエイに触った方からよく聞かれる質問です。サメの背中をそっとなでてみると、ざらざらとした感触があります。子どもから「砂みたい」と言われることもあります。確かに体をよく見てみると小さなつぶつぶが見えます。

ネコザメの鱗の拡大画像
イヌザメの鱗の拡大画像

 このつぶつぶは、サメの鱗です。サメの鱗は歯と同じつくりでとても硬く、鱗の先がとがっているので触るとざらざらとしています。硬い鱗はよろいのように身を守ることに役立っています。一方、エイの体は触るとぬるぬるしています。「なめこみたい」と言われることがあります。鱗はほとんどなく、粘液で体がおおわれているため、触るとぬるぬるします。粘液は体が何かにぶつかったときに守ってくれる役割があります。

 サメのざらざらの正体が鱗であることや、エイの感触が想像と違ってぬるぬるしていることなど、生き物を見て触って初めて知ることに驚く方もたくさんいらっしゃいました。

 タッチンフィーリンでの生き物の観察や触る体験は、生き物への興味や関心につながったことと思います。タッチンフィーリンは終了しますが、水族園では今後も来園者の方々が楽しみながら学べる展示をつくっていきます。

〔葛西臨海水族園教育普及係 豊田千春〕

(2020年12月25日)



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