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いまこそ!うみをとどける移動水族館
 └─2020/10/23
 葛西臨海水族園の移動水族館は、障がい者や高齢者、病気の方といった来園が難しい方々がいる都内施設を訪ね、海の生き物の魅力を伝えています。通常は毎月5~6件の移動水族館活動をおこなっていましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、緊急事態宣言下にあった2020年4~5月はすべての活動を中止しました。6月からようやく活動を再開し、都内のあちこちへ出張しています。


解説するスタッフはフェイスシールドとマスクを着用

 活動再開にあたり、気をつけなければいけないことがたくさんありました。訪問先には病気や高齢のため感染症の重症化リスクが高い方がいる場合があります。事情があってマスクをつけることができない方がいることもあります。もしも私たちが新型コロナウイルスを持ち込んでしまったら、または移動水族館活動により感染を広げてしまったら……どちらも大変なことになってしまいます。


うみくる号を消毒中

 そこで、接触の機会や密を生みやすいふれあいプログラムを休止し、屋外での生き物の観察のみとしました。さらに、移動水族館スタッフの体調管理や基本的な感染対策の徹底はもちろんのこと、実施中は専用トラックうみくる号も参加者が触れたり近づいたりする部分をこまめに消毒することにしました。参加者にも密回避やマスクの着用、手指の消毒をお願いし、最大限の対策をして実施しています。安心して移動水族館を楽しんでもらうために気を抜けません。

 実際に活動を再開して、申し込みや訪問先でよく聞くのは「外出や施設内のイベントができず、移動水族館が来てくれるのを本当に楽しみにしています」という切実な声です。生き物を観察している参加者の表情が明るくなるのを見ると、こんなときだからこそ移動水族館の出番だと強く感じます。規模を縮小した活動が続きますが、感染対策を徹底し、多くの方にうみ、とどけます。

〔葛西臨海水族園教育普及係 村松茉由子〕

(2020年10月23日)



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